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子や孫への財産分け、生前贈与付き保険なら手間いらず 相次ぎ専用商品 年110万円ずつ非課税で

2019/1/22

写真はイメージ=PIXTA

資産運用しながら生前贈与ができる保険商品があると聞きました。相続税対策に関心があるので、どんな仕組みか教えてください。

◇  ◇  ◇

日本円のほか、高金利の米ドル、豪ドルなどで運用しつつ、年に1回保険資産の一部を贈与する保険商品の契約残高が増えている。2015年に相続税の基礎控除が4割縮小され、子どもや孫へ生前贈与する相続税対策が増えたからだ。

ほとんどの生前贈与機能付き保険は一時払い終身保険がベースだが、主目的は死亡保険金ではない。契約者本人が生きているうちに、保険資産から出る年1回の「生存給付金」を子どもや孫らに贈与し、相続節税につなげることだ。

贈与税にはもらう人1人当たり年110万円の基礎控除があるため、生存給付金をこれ以下に抑える契約が多い。例えば1500万円を一時払いし、生存給付金を年110万円とすると、10年間で合計1100万円を贈与できる。本人が亡くなると残る約400万円が死亡保険金になる。

一般に「年110万円を10年間かけて贈与する」といった契約は、税務署に合計1100万円の「定期金」の贈与とみなされ、贈与税がかかる。このため、税理士らは毎年、贈与契約書を作成するよう勧める。ただ、贈与する人とされる人の署名、なつ印が必要なため、手間がかかる。

贈与の相手と金額を決めておく生前贈与機能付き保険も仕組みは似ているが、税務上は定期金ではない。生存給付金は本人が生きていなければ給付されず、受取人も変更できるためだ。贈与契約書を交わさなくても、贈与が成立するのがメリットといえる。

米ドルなど外貨建ての生存給付金は、円安が進んで円換算で110万円超になると、申告して贈与税を納めなければならないので、生存給付金から贈与に充てる金額には円建てで上限を設定できる。

上限を超えた分は契約者本人が自分で受け取るのが一般的。三井住友海上プライマリー生命保険の「やさしさ、つなぐ」は翌年以降の生存給付金への繰り越しを昨年10月から選べるようにした。

利回りが外貨建てであらかじめ確定している定額タイプの商品が多いが、日本生命保険の「夢のプレゼント」は保険資産の約1割を株式などで積極運用する変額タイプだ。「為替の円高リスクに対する『クッション』になる」(商品開発部)という。

太陽生命保険の「まごころの贈り物」は円建てのため円高リスクがない。「やさしさ、つなぐ」やニッセイ・ウェルス生命保険の「未来のバトン」も円建てコースが選べる。

[日本経済新聞朝刊2019年1月19日付]

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