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障がい児ケア・妊活支援… 女性看護師が起業で新境地

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NIKKEI STYLE

病棟や看護現場で勤務した看護師の女性が起業して存在感を強めている。柔軟な働き方で潜在看護師の受け皿となる訪問看護の会社を立ち上げたり、障がいを持つ子のケア拠点を開設したり事業は様々。地域のニーズに応え活動の場を広げている。

フレックス勤務、子持ちの看護師受け入れ

非常勤ヘルパーは1日2時間の勤務で直帰できる――。訪問看護・介護のリリフル(東京・品川)は出来高払いによるフレックス勤務のシフトを組み、子供を持つ看護師や介護士などの女性ヘルパーを受け入れる。常勤6人、非常勤30人のうちママは10人。2歳の子を育てる社長の玉木明子さん(35)も、午後4時に保育園の迎えで退社する。

同社は在宅ケアで、医療・介護の保険内と保険外のサービスを提供する。保険内では主治医の指示に基づく看護と入浴介助などの介護業務を行う。保険外では介護プランにない調理、掃除など生活支援を手掛ける。個人のニーズに合わせたきめ細かいケアが売りだ。それでもサービス提供エリアは広げない。「ヘルパーに無理をさせない就労環境が大事」(玉木さん)という。

玉木さんは慶応大学看護医療学部で看護師資格を取得。看護と異なる世界に興味があり2006年の卒業後、7年間、人材派遣会社で働いた。人事部門で働き、労務管理のおもしろさに気づいた。

その後、訪問看護の会社に転職。改めて看護の現場を見ると女性がイキイキと働けるような環境が乏しいように感じた。そこで、人材マネジメントの経験を生かし14年、リリフルを設立した。玉木さんは「ママから選ばれる会社でありたい」と抱負を語る。

現在、全国で看護職員は166万人ほど。主な就業場所は病院と診療所で、日勤と夜勤をこなす。ただ、出産や育児でシフト勤務が難しくなるなどで離職率が高い。厚生労働省の調べでは資格を持ちながら勤務していない「潜在看護師」は70万人強いる。高齢化で看護の需要が高まるだけに、潜在看護師が復職し地域で活躍してもらうことが求められている。

障がいがある子供向けのデイサービス

潜在看護師だった3人が11年に設立したプラバナース(熊本市)は、障がいのある子供が放課後や休日に利用できる放課後等デイサービス(放課後デイ)を営む。18年12月下旬に訪れると、同社社長の松尾ふみさん(38)が子供におにぎりを食べさせていた。「子供からいつもパワーをもらっている」と笑う。

放課後デイでは、子供がお菓子を作ったり、みんなで歌ったりして生活能力の向上につなげる。松尾さんらは看護師資格を生かし、たんの吸引やチューブを使い鼻などから栄養を注入することもある。医療行為が必要な子供をケアする放課後デイは全国的に看護師スタッフが足りない。

プラバナースはもともとは訪問看護が主力事業だったが、16年4月の熊本地震が転機となった。避難所に駆け込んだ松尾さんは、障がいを持つ子が夜通しでおびえる場面に遭遇し「地域で看護師のケアを求めているのはお年寄りだけではないと気づいた」。

その後、福岡市の施設で放課後デイを学び、施設運営の資格を取得。地震から2カ月後、市の認可を受け放課後デイを開設した。松尾さんは熊本大学医学部付属病院で病棟勤務し数多くのみとりを経験。それを踏まえて「成長していく人のケアも同様に大事。もっと磨きたい」と思う。

助産師資格生かし「妊活」支援

女性を積極登用する企業に社員の健康管理や産休・育休前研修を行うラヴィコーポレーション(大阪市)。社長の高須賀千絵さん(36)も大阪の総合病院勤務で末期患者を看護し続けた経験を持つ。

高須賀さんは助産師の資格を保有。病院で多くの出産に立ち会い、「母親が大量出血したり、胎児の心音が落ちたりと何があるか分からない。妊娠前に出産に向けたベストの体づくりを女性に伝える必要がある」と痛感し、11年に起業した。いわゆる「妊活」である。妊娠を意識する前から体の仕組みや病院の選び方などを教える場はまだ少ないという。

1歳7カ月の長男がいる高須賀さんは今、小さな命を宿している。長男の育児に懸命で妻の体調も気遣う夫に感謝しながら「出産後は男性育休の研修に力を入れたい」と話す。例えば育休取得の時期。男性は一般に妻の出産後に取得するが「産後うつになりやすい2カ月目に休んで妻に寄り添うのも有効」という。

こうして得たノウハウを企業だけでなく、地域社会全体に発信していきたいという。起業したことで、自分が望むスタイルによって社会を良くするかもしれない。高須賀さんはそう信じている。

広がる活躍の選択肢 ~取材を終えて~

記者(55)は7年前、開腹手術をして入院した。痛さで眠れない中、深夜1時間おきに様子を見に来る看護師に元気づけられたが、その間もナースコールは鳴りやまない。看護師の苦労を思った。

そんな看護師が「白衣の天使」と呼ばれることもあった。だが、松尾さんと高須賀さんは病院勤務時代は忙しすぎて、患者に対して納得のいく看護ができなかった。まずは病院など医療現場で看護師が働き続けやすい環境づくりが急務となるが、起業は活躍の場を広げる上で選択肢の一つとなる。

今後は医療の場が在宅にも広がり、地域で看護師の活躍が求められる。理想を求め起業した女性たちに新たな看護師像を築いてほしい。(保田井建)

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