WOMAN SMART

ヘルス

インフルエンザ薬、ゾフルーザ処方前に知るべき注意点

2019/1/25

■ゾフルーザは周囲への感染を減らす可能性も

ゾフルーザは、表に示したタミフル、イナビル、リレンザ、ラピアクタとは違うメカニズムでインフルエンザウイルスに働きます。

インフルエンザウイルスに感染すると、呼吸器の細胞の中で増殖し、細胞から飛び出して別の細胞へと広がっていくのですが、タミフルなど、ゾフルーザ以外の薬は、増殖したインフルエンザウイルスが細胞から飛び出すのを妨げることで、病気の進行をくい止めます。一方、ゾフルーザは、細胞の中でウイルスが増殖する仕組みを遮断し、増殖そのものを抑える働きがあります。

なお、前述した臨床試験で症状がなくなるまでの期間、すなわち治療効果については、ゾフルーザ群はプラセボ群よりも26.5時間と約1日短く、タミフル群とは差が見られませんでした。

ウイルス排出がいち早く止まるというゾフルーザの特徴について国立病院機構東京病院臨床研究部長の永井英明氏は、「十分なデータが集まらなければ確証が持てないが、周囲の人への感染を減らす可能性がある」と推察しています。

学校保健安全法の施行規則では、インフルエンザにかかった子どもの出席停止期間を「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)としていますが、今後、十分なデータが集まれば、ゾフルーザを使った場合には出席停止期間を短縮できるようになるかもしれません。

■ゾフルーザは「耐性」に問題点も指摘 薬価も高い

ゾフルーザについては問題点も指摘されています。臨床試験でゾフルーザを飲んだグループから、ゾフルーザの効き目が低下した「耐性ウイルス」が見つかったことです。大人と12歳以上の子どもを対象とした臨床試験では9.7%、12歳未満の子どもを対象とした試験では、23.4%に見つかりました。また、自然な流行でもゾフルーザ耐性ウイルスが発見されています。感染症疫学センターが1月21日に発表した調査結果などによると、昨年12月初めに集団感染があった横浜の小学校で、ゾフルーザを服用した低学年の児童2人から、耐性ウイルス(H3N2型)が検出されました。

効き目の低下はあまり大きいものではありませんが、今後、耐性を持ったウイルスが増えたり、耐性が強まったりすれば大きな問題です。

また、薬の値段(薬価)には大きな差があります。タミフルは1回治療分(1日2回×5日分)で2720円ですが、ゾフルーザは4789円です。昨年発売されたタミフルのジェネリック品なら1360円ですから、3割負担の保険診療でも1000円ほどの差がつきます。

こうしたことから、一部の医師や医療機関には、今シーズンはゾフルーザを使わないと宣言したところもあります。

一方で、治療期間中1回の服用だけで済むことや、ウイルス排出停止が早いことなどを評価し、処方に踏み切っている医療機関もあります。

インフルエンザにかかってしまったら、受験など、自分や家族の状況と症状のつらさなどを医師によく相談し、使わないという選択肢も含め、最適なインフルエンザ治療を受けられるようにしましょう。

WOMAN SMART 新着記事

WOMAN SMART 注目トピックス
日経doors
暗闇ボクシング爆速成長 経営者は20代塚田姉妹
日経DUAL
中学受験からの撤退 挫折感を持たせない方法は?
日経ARIA
マレーシアに7年住み知った 移住に向く人、向かな
日経doors
読者9割「メンターが必要」 欲しいアドバイスは?
ALL CHANNEL