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交渉は勝負じゃない 「双方納得」の理想へ導くスキル 「おとしどころの見つけ方」 松浦正浩氏

2019/1/23

交渉は握手に向けての過程だ。写真はイメージ=PIXTA

交渉や駆け引きはビジネスの常だ。ただ、そのスキルは見よう見まね、手探りで身につけているという人も多いだろう。交渉術を手ほどきする「おとしどころの見つけ方」(クロスメディア・パブリッシング)を書いた松浦正浩氏は「外部との連携が増え、社内でもチームでする仕事が多くなるなか、交渉のノウハウはさらに重要度を増している」と説く。交渉に臨む心構えや望ましい落としどころに導くテクニックを聞いた。

■震災復興が難航、交渉・調整の未熟さ知る

都市計画の研究者である松浦氏が「交渉学」に目覚めたのは、阪神・淡路大震災がきっかけだ。復興のまちづくりに関して、住民の間で意見の対立からプロジェクトが滞りがちになる現実を知り、利害の調整や交渉の進め方の重要性を痛感。米マサチューセッツ工科大学(MIT)で研究を深めた。

松浦氏は「環境、安全など何を重視するかは人によって違う。異なる立場から意見を出し合うだけでは、調整やとりまとめが難しい。MITでは合意形成や交渉分析の研究が進んでいた」と振り返る。

ビジネスの場面では、他社と連携したり、社内でチームを組んだりして案件に取り組むケースが増えている。多様な知見を持つ人を集め、素早く事業を進める必要性が増しているからだ。「昔は個人が職人的に業務をこなすことも珍しくなかったが、今やチームが主体。チームで働くには適度な妥協、あきらめも必要になってくる。幅広い合意を形成する交渉術は、新しい働き方に必須のスキルといえる」(松浦氏)

■落としどころのイメージ 「皆がそこそこ得」

交渉やチームワークに慣れない人は、必要以上に自分の主張や要求を押し通そうと頑張りがちだという。しかし、松浦氏にいわせれば、「交渉とは手を握るまでの過程。互いの違いを認めるところから始まる」。その目的は相手を論破することではなく、皆が納得できる落としどころにたどり着くことだ。

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