Men's Fashion

スーツのベストはこう決める その基本とタイプ別研究

How to

2019.1.28

MEN'S EX

そもそもスーツは三つ揃いが正式。中でもベストは、時代によって意味や形態が異なり個性が楽しめる。ベストの基本ディテールを学びながら、主要な形と個性の違いをビスポークテーラーの水落卓宏さんに解説してもらった。




水落卓宏さん ビスポークテーラー ディトーズ/英国の正統派クラシックスタイルを受け継ぐ本格ビスポークテーラーのオーナー。東京・南青山に隠れ家的サロンを構える。

■基本ディテールと正統な着方を知る

[ ラペルなしの基本型ベスト ]
基本ディテールを備えた最も主流な形
ドレス度: ☆☆
「シングルベストは、箱型の4ポケット、6つボタン5つ掛けがベーシックで主流の形です。この形を基本として、スーツのスタイルによりラペルやポケットのデザインが変わります」

DETAIL 1/【 襟 】 襟の有無は好みで選ぶべし
「どちらを選んでもマナー違反にはなりません。襟つきの方が、よりかしこまった雰囲気に見えるということです。シングルベストではノッチトが標準、ダブルベストならピークトが標準です」

DETAIL 2/【 ポケット 】 箱型の4つポケットが基本
「英国紳士にとっては、女性のハンドバッグ代わりにもポケットが役立ちました。2つポケットはよりすっきりした印象になりますが、本来は数が多い4つポケットがよりクラシックで正統です」

DETAIL 3/【 ボタン 】 6ボタン5つ掛けが基本
「オーソドックスなベストのデザインとして、5ボタン5つ掛けのスタイルもありますが、今は裾に近い最後のボタンが飾りでつく6ボタン5つ掛けのスタイルが一般的です」

DETAIL 4/【 剣先 】 スクエア型から派生して誕生
「元来、ベストの裾には剣がなくスクエアで、ボタンを全て留めるのが前提。しかし、地位のある方が一番下のボタンを留め忘れ、その際に開いた角が誇張されて現在の剣先になりました」

[ 知っておきたい正統派な着方 ]
よりクラシックを極めるならハイウエストで高めのバランスに
「より正統的なスーツスタイルでは、ハイウエストのパンツを吊って、全体のバランスを高く保ちます。ベストでパンツのウエストバンドを隠し、パンツとベストの間からは、シャツやタイ、ベルトを見せないように。パンツの股上が深くても浅くても、ベストとパンツの長さの調和と連動を図ることが重要」