キヤノン 光学65倍ズーム「SX70 HS」の実力を検証
キヤノンから光学65倍ズーム搭載の「PowerShot SX70 HS」が2018年12月20日に発売された。高倍率ズームレンズを搭載するPowerShot SXシリーズは、ワイド端からテレ端まで広い範囲の撮影を楽しめるモデルとして人気が高い。
PowerShot SX70 HSの有効画素数は2030万画素で、映像エンジンを「DIGIC 8」に刷新。白飛びを軽減する「オートライティングオプティマイザ」機能や、軽量な新RAWフォーマット[.CR3]、高画質と低ノイズ、高感度性能を実現した。また望遠時に威力を発揮するEVF(電子ビューファインダー)は0.39型、約236万ドットと高精細化され、新規採用のアイセンサーで撮影および画像確認がシームレスにできるようになっている。EVFの描画も120fpsに高められ、動体も難なく追従することが可能だ。
握りやすい大型グリップ、フレーミングアシストボタン、AEロックボタン、3.0型バリアングル液晶と、ハードウエア面も使い勝手に配慮されている。定評ある高倍率ズームレンズは21mm-1365mm(35mm換算)と、あらゆるジャンルの被写体を余すところなく捉えることが可能な画角だ。
ワイド側は風景や室内の撮影に、テレ側では野鳥やスポーツなどの撮影に向いている。レンズ構成は11群15枚となっており、3枚のUDレンズと1枚の非球面レンズ採用によって収差(画像のゆがみ)を抑えて、小型軽量ながら高画質を実現している。
実際に撮影してみると、望遠時でも約5段分の手ブレ補正機能が働く「デュアルセンシングIS」によって、被写体の捕捉と撮影がやりやすかった。画質も、このクラスのカメラとしては上々。ボディーもそれほど大きくないので、望遠に強いカメラを持ち歩きたい人にお薦めしたい。
撮影例
光学65倍ズームは面白い。以下の6枚はワイド端21mmから1365mm(35mm換算)までグーンと東京都庁に迫ってみたもの。どのレンジでもなかなかの画質だ。最後のカットのデジタルズーム域でもディテールが分かる。
古民家の柱に貼られていたお札にズームイン。ボロボロになったその様子と柱のディテール感、そして前ボケもイイ感じである(f/5.6、1/320秒、ISO-100、露出補正-0.7、焦点距離39mm)
その古民家に干してあったソバの実。ワイドかテレかによって最短撮影距離が異なるが、これだけ精細かつ立体感あふれる撮影できるのには感心した(f/5.6、1/250秒、ISO-125、露出補正-1.3、焦点距離85mm)
都庁横にあるモニュメントをワイド端で撮った。SXシリーズはテレに強いというイメージがあるが、このようにワイドにも強い(f/4.0、1/1000秒、ISO-100、焦点距離4mm)
この野球場のカットのように、広がりのある撮影ができるのはワイド端ならでは(f/4.0、1/400秒、ISO-100、焦点距離4mm)
連続撮影も高速で動くものにも強い。ワンショットAF時が約10.0枚/秒、サーボAF時が約5.7枚/秒なので、泳ぎ回るカモでもぴたりと捉えることができた。羽毛のディテールと水面の描写感がいい(f/5.6、1/200秒、ISO-160、露出補正-0.7、焦点距離74mm)
岩に上がったカモの足を狙う。刷新された映像エンジン「DIGIC 8」によって、ノイズも目立たず発色も自然だ。水滴が光るカモの胴体と、質感豊かな足ひれの写りが見事である(f/6.5、1/400秒、ISO-400、露出補正-0.3、焦点距離247mm)
路傍に咲いたツワブキの花。風に揺れて捉えにくいシーンであったが、高速なEVFのおかげで難なくフレームに収めることができた(f/6.3、1/320秒、ISO-100、露出補正-0.7、焦点距離207mm)
橋脚に書かれたペイントを「ラフモノクロ」で撮った。スタイル設定や各種モード設定でさまざまな仕上がりが楽しめるのもポイントだ(f/5.0、1/500秒、ISO-100、焦点距離26mm)
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
[日経トレンディネット 2018年12月20日付の記事を再構成]
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