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円1強は今年も続くか 米中や英離脱が火種に

2019/1/27

英国のEU離脱問題に世界の市場関係者も注目している(16日、フランクフルト)=AP

今年も「強い円」に注意が必要――。年明け早々に円相場の急騰が発生し、そんな感想を持った個人投資家もいただろう。実際、米景気の減速や欧州政治の混乱など、2019年も円買い要因は多そうだ。主要通貨に対して円が軒並み上昇する「円1強」が、18年に続いて実現するかもしれない。円高は外貨投資への逆風になるだけに要警戒だ。

円の対ドル相場は昨年12月中旬まで1ドル=113円前後で推移した後、年末にかけて急上昇した。勢いは年明けに加速し、1月3日には瞬時に108円台から104円台へと上がった。

年初の早朝という取引の少ない時間帯に起きた出来事ですぐに107円台に戻ったが、「今年も強い円が続く可能性がある」(三菱UFJ銀行の内田稔氏)ことを投資家に印象付けた。

円はドルに対してだけでなく他の主要通貨に対しても軒並み上昇してきた(図A)。対ドル、対欧州通貨、対新興国通貨の3つに分けて見ると、円買い圧力が19年も強まりやすいことがわかってくる。

■米、利上げ終了か

まず対ドル相場。米景気や世界経済の減速を受け、米金融政策の方向性が一段と変わりつつある点が重みを持つ。

米連邦準備理事会(FRB)は18年12月、19年の利上げ回数のシナリオについて3回から2回に減らした。景気回復のペースダウンを考慮した対応だったが、それでも19年3月には利上げに動くとの見方があった。だがパウエルFRB議長は、政策運営をさらに見直す可能性に言及し始めた。

市場参加者の間では、3月の利上げは見送られ、15年末から続いてきた利上げ局面も終わるとの見方さえ出始めている。米金利に低下圧力がかかってドルが売られ、円は買われやすい状況だ。

FRBの判断に影響を及ぼしているのは、米中貿易戦争の悪影響だ。米中対立は、その背景に両国の覇権争いがあるだけに長期化しそうだ。米景気や世界経済にジワジワと下押し圧力をかけそうになっている。

3月1日を期限とする米中貿易協議は事実上「延長戦」に入るかもしれない。期限までに中国による輸入拡大について一定の成果が出る可能性はあるものの、国家主導のハイテク支援策「中国製造2025」の大幅見直しなどで合意が成立するとは期待しにくい。

米国の経済成長率については世界銀行が1月上旬に見通しを発表。19年(2.5%)から20年(1.7%)にかけて大きく下ぶれるとした。

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