出世ナビ

私のリーダー論

会議の資料は数字だけ カプコン創業者のリスク管理術 カプコンの辻本憲三会長兼CEO(上)

2019/1/24

――リスク管理も重要ですね。

「2010年ごろから、スマートフォン用ゲームが流行した際、電子くじ(ガチャ)でもうけた企業は大きく業績を伸ばしました。当社は、当選率が不明瞭なガチャは顧客から必要以上にお金をもらうことになり、市場をつぶしてしまうと考え、注力しませんでした。最先端のゲームづくりに専念しました」

■失敗は生かすが、終わったことは忘れる

カネをかけても高いスペックの製品にこだわる

――開発者が面白いソフトを作れる環境づくりで意識していることはありますか。

「最近はゲームの内容についてあまり口は出しません。会社が大きくなり、優秀な人材が集まってきます。自由にやらせていれば自然といいものができる。ただし、他社に負けないスペックの高いゲームを作ることにはこだわる。時間や資金はたくさんかけてもいいし、人員のバックアップは任せろと言っています」

「18年1月に発売した『モンスターハンター:ワールド』は、大画面の60インチの4Kテレビで迫力のある映像になるように指示しました。その結果、世界中の人に受け入れられ、18年9月末での販売本数が1070万本に上るヒットになりました」

――自由にやらせるだけで売れるソフトができるのですか。想定通りにいかないことも多いのでは。

「若い社員は小さいころからゲームで遊んでいるので、感性ができあがった状態で入社してきます。ベテランの社員よりもむしろゲームを知っており、専門的なソフトの作り方さえ学べば即戦力になります。下請けはなるべく使わずに、体力や知識欲のある若手にどんどん開発現場を任せて質の高いゲームを作るようにしています」

「もちろん、失敗作もたくさんありますよ。良い作品でなければ売れない。ゲーム業界の厳しい現実は骨身に染みています。ただ、失敗するのは新しいことに挑戦するからでもある。失敗は経験値として残し、次の機会に生かせばいいのであり、私は終わったことはなるべく忘れるようにしています」

辻本憲三
奈良県出身。釣り具工場で働きながら県立畝傍高校に通い、1960年に卒業。駄菓子屋の経営、パチンコ台やピンボールの貸し出しなどを経て、83年にカプコンを創業し社長。2007年に会長に就き、長男の春弘氏が社長を継いだ。

(上田志晃)

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


マネジメント層に必要な4つのスキルを鍛える講座/日経ビジネススクール

会社役員・経営幹部の方を対象とした、企業価値を高める経営の実務に役立つビジネス講座を厳選

>> 講座一覧はこちら

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL