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だからマーケティングは面白い

車より「ホンダ」売る女性執行役員 ターゲットは若者 ホンダ執行役員日本本部副本部長兼商品ブランド部長 鈴木麻子氏

2019/1/23

――ブランド力回復のために何をしたのですか。

「最初は四輪車メーカーとして全体のイメージを上げようとしたのですが、うまくいきませんでした。幅広い車種があり、イメージをひとつにまとめるのが難しかったのです。そこでブランドイメージを形づくる要素を調べてみると、『創業者』とか『二輪』など、四輪以外が強かった。それなら車にこだわらず、今持っている資産をうまく使って企業イメージをつくろうと考え直しました」

「17年から『Go,Vantage Point.(見晴らしのいい場所へ)』というキャッチコピーでテレビCMを始めました。車やバイクなどの製品をアピールするのでなく、今よりもっと見晴らしのいい生活へ行こうというストーリー性を持たせた広告にしたのです」

■企業イメージ、見せたいのはクルマより…

「第1弾のシビック編には、泥まみれの車を登場させ、走る姿を遠景でとらえるような映像を使いました。映画『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明監督に出演してもらい、若者に人気のロックバンド『ONE OK ROCK(ワンオクロック)』の曲を使いました」

――社内で抵抗は?

ホンダジェットが街中に登場するCMの場面=ホンダ提供

「『車がよく見えないのはいかがなものか』という声もありましたが、若いチームの提案を信じ、それにかけた形です。チャレンジしないでレガシーに頼っていては、ブランドイメージは劣化してしまいます」

「CMの第2弾には、ホンダジェットを使い、街中の道路から飛び立っていく映像に仕上げました。製品として紹介するだけでなく、若者に興味を持ってもらうのが狙いです。テレビCMのユーチューブでの再生回数は、18年12月中旬までで、シビック編が640万回を超え、ホンダジェット編は2140万回以上、第3弾のモーターサイクル編は1320万回以上に上りました。非常に注目され、予想以上に消費者に響いたと思います。調査では、少しずつイメージが上昇しているという結果も出ています」

――広告の企画は社内でつくるのですか。

「CMについては、まず社内の商品企画や宣伝企画の担当者が広告代理店の人も交えてイメージをまとめます。それを代理店にクリエーティブの形にして提案してもらい、こちらで選ぶという流れです。最終的に私が判断しますが、現場の若い人たちをどう支えて、彼らの層に伝わるメッセージを選び取るかに気を使っています」

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