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リーダーの母校

自由な麻布、考えた自分の軸 ヤフーアカデミア学長 伊藤羊一・ヤフーアカデミア学長が語る(上)

2019/1/21

伊藤羊一・ヤフーアカデミア学長

プレゼンテーションの技術を分かりやすく解説して23万部のヒットとなった「1分で話せ」の著者、伊藤羊一氏(51)は、ヤフーアカデミア学長としてリーダー育成に力を注ぐ。自身がリーダーシップに目覚めたきっかけは2011年の東日本大震災だったが、その原点は麻布中学・高校時代にたたき込まれた「軸を持て」という教えにあった。

自由な校風で知られる麻布中学・高校に入学した。同校は学園紛争を機に校則をなくした。

振り返ってみると自由だったね、というのではなく、意識をもって自由を貫く感じでした。僕たちは自由、自立だ、と生徒がDNAとして受け継ぐ意思を持っているし、教師もサポートする。そういう評判を聞いていいと思うような生徒が集まってくるし、自分自身もそうでした。

ある意味、生徒を大人扱いしてくれていたのだと思います。はめを外しても人に迷惑かけなければいい、と。例えば、授業中に寝ていても、雑誌を読んでいても、それこそみんなで後ろでゲームをやっていても何も言われない。自分の成績が下がるだけだからいいじゃない、と。授業をさぼったって、欠席になるだけで何のおとがめもなしです。

ただ、それが人に迷惑かけると突然怖くなるんです。中1か中2のころ、冬でみんな弁当をヒーターの上に置いて温めてたんですけど、持ってくるのを忘れた誰かが他の人のを取っちゃったんです。たぶんそいつは「自由な学校だからそのくらい許されるだろう」と軽い気持ちだったのでしょうけど、そのときは教師も生徒もしゃかりきになって怒りました。「人に迷惑かけるな!」って。断じて許さない、という感じです。

「そうか。自由っていうのは、ベースとなる共同体とか社会の感覚を持ったうえでのものなんだ」。こう気づかされる、強烈なメッセージとして今もよく覚えています。

共同体の一員ということでいえば、高3の修学旅行も印象に残っています。広島に行ったとき、参加した260人中100人くらいが夜、脱走して遊びに出かけたんです。繁華街で「よっしゃー、行くぜ!」と盛り上がっていたところ、教師3人ぐらいが立ってました。もう一網打尽ですよ。宿に強制送還され、全員正座。集団行動を乱すとこういう結果になる、と身をもって示してくれたんですよね。

ヤフーアカデミア
次世代リーダーを育成するため、2014年に設置した社内の人材育成組織。役職を問わず誰でも応募でき、ヤフーの経営幹部のほか、外部講師の講演や、合宿形式の研修などを実施。受講生同士の対話も重視しており、受講後に実際のビジネスで協力する事例もあるという。

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