住宅ローン控除延長に非課税枠拡大 空き家増加招く?不動産コンサルタント 田中歩

写真はイメージ=PIXTA
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住宅ローンを組んで住まいを買おうと考えている人なら、住宅ローン控除という制度を聞いたことがあるでしょう。2019年度税制改正大綱によると、今年10月に予定されている消費増税対策の一つとして、住宅ローン控除がさらに拡充されるほか、住宅資金贈与の非課税枠も拡大される見込みです。新築住宅の取得には追い風となる制度なので、今年あるいは来年に住まいの購入を考えているのならば要チェックです。

今回は、筆者が懇意にしている東京シティ税理士事務所の石井力税理士の協力を得て、5400万円(土地1000万円、建物4000万円、消費税400万円)の新築マンションを4500万円の借入金(固定金利1.5%、返済期間35年)で購入し、今年の10月1日に引き渡しを受けたケースについて試算してみました。

住宅ローン控除、13年間に延長

これまでの住宅ローン控除は、借入金の年末残高(※1)の1%相当額が10年間にわたって所得税から差し引かれるものでした。所得税で控除しきれない場合は翌年の住民税から控除されます。したがって、所得税と翌年の住民税の合計額が控除の上限額となります。
(※1)4000万円が限度。ただし、認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の場合は5000万円が限度。

今回のコラムのケースは一般的な性能の新築マンションを想定しています。このため、4年目の年末までは借入残高が4000万円以上で、毎年上限となる40万円が控除されます。5年目以降は元本返済が進み、年末の借入残高は4000万円を徐々に割り込んでいくことから、30万円台の金額が控除されます。結果として、10年間の合計で約380万円の控除となります(ただし、所得税と翌年の住民税額の合計額が各年の控除額より大きい場合)。

今回の改正では、これまでの住宅ローン控除に加え、11年目から13年目について、以下のうちいずれか少ない金額が各年の所得税および住民税から控除されることになります。
(1)住宅借入金等の年末残高(※1)×1%
(2)(住宅の取得等の対価の額又は費用の額-当該住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等)(※1)×2%÷3

今回のコラムの場合、(2)は税抜き建物代金4000万円×2%÷3=26.7万円となり、(1)の額よりも少ない金額となるため、11年目から13年目については毎年26.7万円、3年間の合計で約80万円の控除が追加で受けられることになります。

ただ、この特例は建物の消費税が10%で住宅を取得し、19年10月1日から20年12月31日までに自己の居住用に供することが条件となります。

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