相次ぐ企業の値上げ 原因見極め株価への吉凶診断日本株探知機(2)

コーラ、冷凍食品、アイスクリーム――。2019年は消費増税とは別に、多くの商品の値上げが予定されています。とりわけ消費者にとって大きな影響があるのは、食料品や日常的に使っているサービスといった、身近なところで起こる値上げです。家計防衛のため、今後の出費を抑えようとする人もいるでしょう。ただ、株式投資の観点から考えてみるとどうでしょう。私たちの出費がかさむということは、企業にとってはその分だけ売り上げが増えることになります。結果的にその企業のもうけが増え、株価上昇につながるかもしれません。投資チャンスを探るため、今年値上げする企業を調べてみました。

株価に効く「いい値上げ」を見極め

製品・サービスの値上げは大きく2種類にわけて考えることができます。

1つ目が需要が好調な中で値上げする「ディマンドプル型」。例えば、18年に大ブームになった「サバ缶」ですが、マルハニチロは同年9月に値上げに踏み切っています。

2つ目は原材料費が高騰するなかでやむなく値上げする「コストプッシュ型」。17年の鳥貴族のメニュー値上げが有名です。このときは人件費の上昇が理由でした。

この2つの値上げを比べたとき、株式市場にとって好ましいのは前者の「ディマンドプル型」です。世の中から製品・サービスが求められているうちに値上げできれば、収益を増やせる可能性が高いからです。

オリエンタルランドが運営する「東京ディズニーリゾート(TDR)」も好例です。TDRはチケット価格にかかわらず常に高い人気を維持しています。このような企業は、利益増加につながる「いい値上げ」をしやすい経営環境にあるといえます。

19年の値上げ、「原材料費高騰型」多く

では、19年に値上げする企業はどうなのでしょうか。日本経済新聞の過去記事を調べてみたところ、表で示したように「コストプッシュ型」が大半を占めることがわかりました。原材料費や物流費、包装紙代などの上昇が背景にあるようです。

「10分で1000円カット」でおなじみのQBハウスは2月から通常料金が1200円に上がります。理美容業界の深刻な人手不足が響いているようです(同社は消費増税後に税込み価格を値上げするかどうか、別途検討するとしています)。この観点からは、19年の値上げ銘柄の中では、株価に「凶」と出るものもあるかもしれません。

コストプッシュ型の値上げ企業をみるときは、その企業の本業の採算を示す営業利益率の過去の推移をチェックするといいでしょう。企業の過去の業績は日経会社情報サイトから簡単にチェックできます。

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