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注文住宅で工事の遅れ 業者の変更や賠償請求は可能? 弁護士 志賀剛一

2019/1/17

写真はイメージ=PIXTA
Case:48 建築業者に注文住宅を発注しました。しかし、人手不足を理由に工事が遅れ、建物自体はおおむねできているようですが、すでに工期を過ぎているのにまだ内装工事をやっており、引き渡しに至っていません。素人目にも仕事ぶりが雑で、いっそのこと今の業者との契約を解除して他の業者に引き継がせたいと思っています。もちろん、損害も賠償してもらいたい。法的に可能でしょうか。

■着手と完成の時期、契約書に必ず記載

住宅を建築するような契約は、民法では請負契約に分類されます。請負契約は口頭の合意でも成立しますが、注文住宅となると建築業者との間で建築工事請負契約書(以下、請負契約書)が締結されていると思われます。

請負契約書には、工事の着手の時期と完成の時期を記載することが建設業法で定められていますので(ただし、建てる家が小さい場合、建築業者が建設業法の適用を受けない可能性もあります)必ず入っているはずです。

契約で定めた工事完成時期に引き渡しが間に合わない理由が建築業者の責任による工事の遅延が原因であれば、建築業者の債務不履行となり、損害賠償請求が可能です。

相談のケースでは建築業者が人手不足を理由にしているので、おそらく責任の所在は建築業者にあるものと思われます。なお、工事の遅延が地震や豪雨災害のような天災による場合には、注文主に対して建築業者がその理由を示したうえで、必要と認められる工期の延長を求めることができる旨、契約書に定められていることが多いかと思われます。

また、注文主の指示による設計・仕様変更、追加工事などが原因である場合も、工期の遅延が建築業者の債務不履行とは言い難い場合があります。

■違約金の定め=賠償額の予定

ここでは工期の遅延が建築業者側の責任であるとの前提で話を進めます。

工期までに建物が完成しなかったことで、仮住まいの延長にかかる費用など注文主には様々な損害が発生すると思われます。もし契約書に何らの定めがない場合には、これらの損害を一つ一つ立証しなければなりません。

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