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W杯観戦、200万円は高い? 7試合で食事付きが完売 東京五輪でも特別プログラム

2019/1/22 日本経済新聞 朝刊

2015年のラグビーW杯イングランド大会で設置された特設会場のレストラン(STHグループ提供)

2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会、20年東京五輪といった世界規模のメガイベントにあわせ、富裕層をターゲットにした新たなスポーツ観戦スタイル「スポーツホスピタリティー」が注目を集めている。試合観戦と飲食などのサービスを組み合わせた高額商品で、欧米では定着。日本でもスポーツイベントの収益の柱の一つとして期待されている。

ラグビーW杯の試合開始数時間前、競技場に隣接する特設会場に到着すると、ウエルカムドリンクのシャンパン。最高級の食事を楽しみつつ、ラグビー界の「レジェンド」が当日の見どころを解説。試合は特等席、終了後は専用のバーで感想を語らい、帰路につく――。今年9月からの日本大会ではこんな観戦スタイルが登場する。

2015年のラグビーW杯イングランド大会でスタジアム付近に設置された特設会場(STHグループ提供)

このチケットはラグビーを生むきっかけになった少年の名前にちなんだ「ウェブエリス・スイート」。観戦と飲食などを組み合わせたチケットで、富裕層を対象とする英旅行会社の日本法人「STH Japan」(東京・新宿)が発売した。

11月の決勝会場となる横浜国際総合競技場(横浜市)で7試合が観戦でき、料金は1人当たり約200万円と破格の値段だが、昨年2月に販売を開始し、開幕1年前となる9月中に完売した。

同社マーケティング部の嶋田智之部長によると、購入者の3割は海外在住。「ラグビー人気の高い欧州やオセアニアの富裕層が購入している」とし、関連商品も含め「現時点では予想を大きく上回る売り上げ」という。

東京五輪でも大会組織委員会は同様の「ホスピタリティープログラム」を提供する予定。専用のVIPラウンジの使用などを検討しており、一般チケットの最高額30万円(開会式)を上回る価格となる可能性がある。

観戦を飲食や他のサービスと組み合わせる観戦スタイル、スポーツホスピタリティーは欧米ではすでに定番。サッカーW杯や欧州でのカップ戦、伝統のある競技などで販売され、スポーツイベントの収益の柱の一つに成長している。

スポーツ庁が17年に策定した「スポーツ基本計画」では、スポーツ目的で来日する人々による観光関連消費を15年度の2204億円から21年度末までに3800億円へ引き上げる目標を掲げる。海外の富裕層を対象にしたスポーツホスピタリティーは未開拓で、今後の成長分野として期待されている。

課題はスタジアム内のインフラ整備や国内のスポーツの魅力向上など。スポーツビジネスに詳しい筑波大の高橋義雄・准教授は「日本のスタジアムはプレーヤー向けに造られており、食事を楽しむなどの観戦者視点が欠けている」と指摘。「欧米並みにサービスを充実させるには時間がかかるが、スポーツビジネス発展のためにも国は積極的に支援してほしい」と話している。

[日本経済新聞朝刊2019年1月14日付]

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