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家を担保に融資 リバースモーゲージ、保険付きが拡大

2019/1/15

自宅を建て替える費用を借り入れる手段の一つに「リバースモーゲージ」があると聞きました。どのような融資なのでしょうか。

◇  ◇  ◇

リバースモーゲージとは自宅を担保に融資を受け、生存中は利息のみを払い、死後に自宅を売却して残債を一括返済する方法だ。自宅に住み続けたまま融資を受けられるので、持ち家比率が高い高齢者が生活費を調達する手段として注目されてきた。

大手銀行が扱い始めて十数年が経過したが、全体の融資残高は1千数百億円にとどまっている。金融機関の担保評価が厳しく、希望通りの融資を受けられないケースが多いからだ。

ここに来て変化が出てきた。住宅金融支援機構が金融機関と保険契約を結んで融資する新タイプのリバースモーゲージ「リ・バース60」が伸びている。2018年度の融資実績は4~9月の半年で16.5億円と、既に17年度の約2倍となった。18年度通年では30億円を超す可能性が高い。国内のリバースモーゲージ残高の3%程度を1年で達成することになりそうだ。

リ・バース60も自宅を担保に融資し、最後は担保売却で返済するが、死後の手続きが従来型と異なる。

機構が保険金で金融機関に残債を払うため、金融機関ではなく機構が担保価値の下落リスクを負う。民間のリバースモーゲージは担保住宅の地域を都市部に絞るなどして下落リスクを抑える例が多いが、リ・バース60は全国の物件を幅広く引き受けている。

リ・バース60は09年に始まったが、注目され始めたのは17年の「ノンリコース(非遡及)型」の導入後だ。一般的なリバースモーゲージは担保物件の売却価格が残債に満たない場合、相続人が残債を返済する必要があるが、ノンリコース型だと相続人が返済する必要はない。「リ・バース60拡大の起爆剤となった」(機構の住宅融資保険部)

ノンリコース型はリコース型に比べて機構が負うリスクが大きい分、金融機関が払う保険料も高い。ただ、18年7~9月の融資実績の89%をノンリコース型が占めており、利用者の支持を集めた。

リバースモーゲージが広く浸透する米国でも、金融機関が敬遠する担保割れリスクを保険でカバーする仕組みが市場拡大をけん引した。日本でもリ・バース60の取扱金融機関は地銀なども含め約50まで拡大した。

リ・バース60の利用時は注意点もある。融資したお金の使い道は建て替えや住宅ローン借り換えなど住宅関連に限られる。民間リバースモーゲージは生活費などにも充てられることが多いのとは対照的だ。

住宅リフォームや建て替えの計画があれば有力な手段だが、生活費などその他の出費に備えて手元資金を温存するといった工夫が必要になる。

[日本経済新聞朝刊2019年1月12日付]

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