2019/1/19

「学生納付特例も速やかに手続きをしないと不利益を被る恐れがある」(永山氏)

障害年金は初診日に注意

こんな事例がある。20代のAさんが事故で障害を負い、しばらくして障害年金を請求したいと年金事務所を訪ねた。学生時代は特例を利用、その後も保険料を払い、年金加入期間に未納はないのでもらえると思ったが、実際は受給できなかった。

Aさんの特例の申請は事故の後。特例は過去に遡って承認されたが、障害年金は初診日を基準とした年金の加入・保険料納付要件で判断する。事故(初診日)後の特例の承認は考慮されず、要件を満たさなかったのだ。

免除や納付猶予は年金の受給資格期間に算入できても、将来の老齢基礎年金の金額に反映されない部分があることも知っておこう。特に学生納付特例と納付猶予は年金額への反映はゼロ。年金額を増やすには後日、保険料を追納する必要がある。

10年以内なら追納を検討

「追納の期限は10年だが、認知度は低い」(原氏)。厚労省によると、学生納付特例を知っている学生は9割近くいるが、特例の利用者で追納を知っているのは約半分だ。前述の総務省の見直し勧告にも、10年以内に追納されるのは全体の4%余りにとどまるという試算があった。

年金は障害時や長生きなどのリスクに備えられる公的保険だ。20歳を機に親も積極的に関わって適切な対応を選びたい。

(土井誠司)

[日本経済新聞朝刊2018年1月12日付]