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共働きの子育て、学生がインターン体験 働く現実学ぶ

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育児中の共働き家庭で生活体験をする学生が増えている。仕事と育児の両立の実態を知り、出産・育児を経て働き続けることへの不安を解消。性別役割分業の意識が薄れ、多様な働き方が広がるなか、キャリアを模索する男子学生や若手社会人らの利用も目立ってきた。

「今日は機嫌良く遊んでいますね」。2018年12月のある月曜日、京都府内に住む中川潤子さん(29)の自宅を午後6時すぎに訪ねると、男女2人の大学院生が夕食作りを手伝い、中川さんの2歳の長女と遊んでいた。

家事・育児分担の現実を知る

大阪ガスの「ワーク&ライフ・インターン」の一環。同社秘書部で時短勤務する中川さんの家での子育て体験だ。共働き家庭で家事・育児をどう分担し、仕事と両立しているか理解を深める。学生は帰宅した中川さんと最寄り駅で待ち合わせ、一緒に車で長女の保育園まで迎えに行った。帰宅後は子どもの面倒を見つつ、夕食を準備。食事をしながら、育児や仕事、キャリアについて質問を繰り返す。

子育て中の共働き家庭の実態を知る機会は少ない。体験した京都大大学院1年の女子学生は「帰宅して1時間くらいで子どもの相手をしながら夕食の支度をするのは本当に大変。仕事と家庭の両立は忙しそうだけど、子どもの成長を見るのは仕事のやる気になる。忙しさ以上に楽しいことがあると感じた」と話す。

大阪ガスは14年度から、企業向け研修などを手がけるスリール(東京・港)と組み、同制度を始めた。出産後も働き続ける社員が増える一方で、就職時の印象と入社後の生活とのミスマッチをなくすことにつなげる。18年度の参加者は育児の講習を受け、4回の家庭訪問を経験。19年1月の最終報告会では育児と仕事の両立で、同社にあるといいと考えた仕組みを提案する。

受け入れた中川さんは「フルタイムで働いてきた時の自分を思い出すともどかしかったが、今の自分だからできることがある。学生と話すと自分のキャリアを考え直すきっかけになる」という。

同社にはこのインターンで生活を知った上で入社した人もいる。エンジニアリング部の吉田匡孝さん(25)は17年に子育て家庭を訪問した。「職場と家庭の両方を知り、働くということがよくわかった。入社を決める最後の一押しになった」と話す。

男子学生も増加、イクメンのあり方考える

都内で医療機器メーカーに勤める宮井優子さん(41)は「女性が働くには男性の理解やサポートが結局必要になる。多様な家庭があることを知るきっかけになれば」と話す。宮井さんはmanma(マンマ、東京・豊島)が手がける若者向けの家庭版OB・OG訪問「家族留学」の受け入れ家庭に登録。3人の学生を受け入れてきた。

18年12月のある日曜日、慶応大4年の男子学生、森田樹さんは宮井さん宅を訪ねた。宮井さんはコンサルティング会社に勤めるリン・ルトロンさん(37)と、6歳の長女と3歳の長男の4人家族だ。森田さんは子どもたちと公園を駆け回り、絵本を読みと大忙し。マンマの家族留学は「どんな家庭に行きたいか」などの希望に応じ受け入れ先の家庭を紹介する。

森田さんは「母が専業主婦なので、共働き家庭を知らない」。男性が育児に積極参加する家庭の実際の姿を知りたいと留学先を希望した。「子どもは2人欲しい、育休は1年ずつ取りたいと友人と話していた。実際に育休を2年とったらキャリアに響くのかなと不安になったので」

受け入れた宮井さんは長男出産後に2カ月で職場に復帰。その代わり夫のルトロンさんが1年間の育休を取った。1年間で離乳食作りからオムツ交換まで何でもできるようになったという。今も午後7時ごろには帰宅し、長女の学校の宿題を見て、食器洗いや洗濯物を片付けるなど、テキパキと家事をこなす。

家族留学の希望者は就活中の女子学生が中心だが、最近は男子学生も増えている。マンマの新居日南恵社長は「男女関係なく優秀な学生は転職を視野に入れて就活をするなど、早くライフプランを考えるようになっている」と話す。女子就活生向けに育児中社員との交流会を設ける企業は多いが、男子学生向けにはほとんどない。

若手社会人も利用

家族留学は若手社会人にも広がる。食品関連会社に勤める野田真歩子さん(24)はマンマの制度を利用して、18年11月に小学生の子どもを持つ共働き家庭の生活を体験した。「入社前は結婚して子どもを産んだら専業主婦になるのもいいなと思っていた」。だが、仕事の面白さを知って「この仕事をもっと続けたい」と考えが変わった。

野田さんも母親は専業主婦で「自分が保育園に子どもを預けることに後ろめたさがあった」。しかし、訪問先の家庭で「早くから社交性が身についた」といった話を聞き、「子育てと仕事の両立への不安が少し軽くなった」。

新居社長は「出産前に自分や夫と同じような働き方をしている子育て家庭を参考にしたいという社会人もいる」と話す。子育ての実体験は「働き続ける選択肢」を広げるのに役立ちそうだ。

近所に「手本」乏しく ~取材を終えて~

共働き世帯は専業主婦世帯の約2倍となったが、学生が多くイメージするのは父親は仕事、母親は家事・子育てという昭和の家族像だ。スリールの堀江敦子社長は「近所付き合いが盛んだった昔は色々な家族の姿を見ることができた」と話す。核家族化が進んで近所の交流は減り、「自分の家族しかお手本がない」という若者が増えている。

多様な働き方が広がる中で、家族のあり方はより様々になってくるだろう。同じ会社の育児中の社員でも「夫が単身赴任中」「実家と同居」と家庭環境が違えば、育児と仕事の両立の仕方は違ってくる。社内にロールモデルがいないと感じている人は家庭に「留学」して、社外に目を向けてみると新たなキャリアが開けるかもしれない。

(潟山美穂)

[日本経済新聞朝刊2019年1月14日付]

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