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カリスマの直言

市場荒れ模様? アクティブ型投信の出番(澤上篤人) さわかみ投信会長

日経マネー

2019/1/28

写真はイメージ=PIXTA
日経マネー

澤上篤人(以下、澤上) 2018年10月後半から、株式市場が荒れ模様になってきた。株価の上下の振れ幅も大きくなっている。

一般の投資家は警戒モードに入っているだろうが、われわれ長期投資家には大いなるチャンス到来である。この違いを草刈と話し合ってみよう。

■株価を追い掛ける投資家たち

澤上篤人氏(撮影:竹井俊晴)

澤上 個人投資家も機関投資家も大半が、相場動向をやたら気にする。彼らからすると、株価を追い掛けては売買益を得ようとするのが、投資ということになる。それはディーリングというものだ。仮に少し投資期間が長くなっても、ディーリングの延長でしかない。

投資はあくまでも、価値の高まりに向けて資金を投入することである。投資価値が高まっていけば、いずれ株価も付いてくる。あくせくと株価を追い掛けるなんて、投資家の名折れである。

そう考えると、相場動向がどうのこうのなど、投資家にとってはどうでもいいことと一刀両断である。当然のことながら、今月のテーマである荒れ模様の相場に直面しても、何ら慌てる必要はない。

草刈貴弘(以下、草刈) 確かに荒れ相場という表現になってしまうのでしょうが、この数年はスルスルとマーケット全体が上昇してきただけだと思います。先進国を中心に、世界中でリーマン・ショック後の実体経済の傷を治そうとしてきました。その過程でばらまいてきた大量のマネーは確かに窮地を救いました。しかし、回復してくると少しでも利回りが良いもの、リターンが高いものを探し始めてしまう。低金利も重なって様々な資産価格を無理やりに上げてきたわけです。今となっては副作用となってくすぶり始めているというのが本音じゃないですかね。

さすがに好景気は長くは続かないですし、波のように、どこかで揺り戻しがくる。これまでは「誰よりも早く、良い投資先に!」だったのが、「今のうちに早く降りなきゃ!」というように風向きが少しずつ変わっているような感じです。

投資は技術革新や企業を支える行為、リスクを取ることで世の中が前進する可能性に参加するというもののはずです。それが、最近は価格差を狙って利益を出すだけのツールになってしまっているような気がします。だから本源的価値に投資するのではなく、価格に投資をするようになり、タイミングばかりが重要視されて相場を気にしてしまうのではないですか。

澤上 そうなんだよ。彼らは上昇相場ではやたらと強気を張る。ところが、荒れ模様の相場となるや、もうオタオタするばかり。笑ってしまうが、それを投資と思い込んでいるのだ。だから、そういった彼らに付ける薬はないよね。

■投資価値の高まりを追い掛けよう

澤上 投資、とりわけ長期投資の醍醐味はというと、マーケットすなわち多くの投資家が「その価値」に気が付いて、後からどんどん買ってくる波に、早い段階から乗っているところにある。時には、持ち株が買値から5倍とか10倍になってしまうことだってある。

よく逆張り投資と混同されるが、全く違う。逆張り投資は、今主流となって買われている銘柄群から置いてきぼりを食らっている銘柄群を拾っておこうとするもの。どこかで買いの矛先が今は安値に放置されている銘柄群に向かうと、あっという間に株価は跳ね上がる。それを狙った投資だから、逆張り投資は相場追い掛け型の投資とそう変わりはない。

一方、投資価値の高まりを追い掛ける本格派の投資家にとっては、マーケットでの評価が低い時ほど強く出番を意識する。がぜん買い気が高まる。

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