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食の達人コラム

フレンチトースト ホットサンドメーカー使えばうまい 土屋敦の男の料理道(4)

2019/1/16

カフェで人気のフレンチトーストは、もともと古いパンを「再生」する節約料理?

カフェなどで人気のフレンチトースト。卵液につけた食パンをバターなどをしいて焼くだけの単純な料理だが、おいしく作るのはそうそう簡単ではない。それがホットサンドメーカーを使うと信じられないくらいおいしく作れると言えば、驚かれるだろうか。今回は、その秘けつをお伝えする。

日本で長らくおいしいフレンチトーストを出すことで有名だったのは1962年に開館し、2015年に閉鎖、取り壊しとなった日本の老舗ホテル「ホテルオークラ東京」本館の欧風料理「オーキッドルーム」だ。たっぷりの卵液を含んだ分厚い耳なしのサンドイッチ・トーストをオーブンで焼き上げた、ぷるぷるとなめらかな一品は、多くの人に愛されてきた。

実はこのホテルオークラのフレンチトーストについては、公式ウェブサイトにレシピが公開されている。2012年ごろ、ホテルオークラのフレンチトーストのプチ・ブームとでもいうべきものが来たときに、私もこのレシピのことを知ったのだが、パンを卵液につける時間が丸1日(片面12時間×2で計24時間)と書いてあったことに衝撃を受けた。それまで私は、パンを卵液につけるのは、せいぜい30分程度だったからだ。

実際に試してみると、いまにも崩れんばかりに卵液を吸い切ったフレンチトーストは、なめらかで軟らかく、とろとろとしてびっくりするほど美味だった。以来気合を入れてフレンチトーストを作る際は、必ず、長時間卵液につけるようになった。

ただし、難点もある。まず、卵液を吸ったパンが軟らかくなりすぎて、フライパンで焼くと途中で崩れてしまうことがある。また中までなかなか火が通らない。これを回避するためにホテルオークラではオーブンを使っているのだろうが、フレンチトーストだけのためにいちいちオーブンを予熱するのも大変だし、また時間もかかってしまう。

ホットサンドメーカーでフレンチトーストをつくると実においしい

これを解消するために行き着いたのが、ホットサンドメーカーである。バターを入れたホットサンドメーカーに卵液が染みたパンを入れ、さらに上からバターをのせて閉じる。こうしておいて両面を焼けば、崩れることも、中まで火が通らないことない。

そして、ここからが大事なのだが、フライパンで焼くよりも、オーブンで焼くより、ホットサンドメーカーで焼いたほうが圧倒的においしいのだ。まず表面はパリパリに仕上がる。まるで軟らかいフレンチトースト全体が、パリパリの「皮」で包まれているよう。パリッとした「皮」を破ると蒸気がふわっと上がり、その中身は、ふわふわ&とろとろで、なおかつアツアツ。これはホットサンドメーカー以外では出せない素晴らしい食べ心地なのである。

簡単に作り方を示そう。まず卵液だが、これは好みだろう。ホテルオークラのレシピは卵1個に牛乳60ミリリットル程度と、かなり卵たっぷりの比率。私はふだんは牛乳1カップに卵2~3個程度を使い、来客があるなど、本当においしいものを提供したい場合は、牛乳に生クリームを加え(比率は2:1か1:1)、さらにバニラビーンズで香りをつけ、卵は全卵ではなく卵黄のみを使う。これで本物のバニラの香りが漂う、コクのあるフレンチトーストができあがる。

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