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米良はるか 必要な人に資金流れる仕組み、さらに早く

READYFOR社長インタビュー(後編)

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NIKKEI STYLE

日本初のクラウドファンディングを運営するREADYFOR(レディーフォー、東京・文京)社長の米良はるかさん(31歳)。約7年間で9000件以上のプロジェクトを掲載し、70億円以上の資金を集めた。「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」というビジョンに向けて、「社会で本当に必要とされている場所にお金を流す」仕組みをつくるため猛スピードで成長を続けている。米良さんにレディーフォーの次の戦略について聞いた。

【インタビュー前編】米良はるか がんで自覚、経営も人生も一人で抱えない

会社を次のステージに上げるための資金調達

──18年10月、法人化以来はじめて外部の投資家から資金調達を実施して話題を呼びました。さらにメルカリなど外部からの人材を積極的に登用しています(下記囲み参照)。その狙いはどこにあるのですか。

米良はるかさん(以下、敬称略) 経営力を上げたいと考えたからです。レディーフォーは良くも悪くもわりと同世代のチームで手探りでつくってきた会社だったのですが、自分たちが実現していきたい世界に向けて、もっとスピードを上げていくためには、「成功パターン」みたいなものを、外から会社の中に素早く取り入れていきたいと考えました。「成功のメソッド」を手に入れやすくするためには、外部の資本を入れて環境を整え、経営者としての成功体験を持つような方に入っていただいてアドバイスをいただきたいと思いました。

何かをやっていくための資金でもあるし、理想を実現するために必要なリソースを手に入れたともいえますが、いずれにしても会社を次のステージに上げるための資金調達といえます。

──新たに調達した資金は具体的にどう活用していくのですか。

支援者がよりよい支援体験を感じることができるような管理システムを実行者向けに開発していきます。これにより、ともすれば一過性で終わってしまいがちなクラウドファンディングにおける実行者と支援者との関係が、より長期的で継続的な関係として続いていく仕組みを実現させていきます。

【クラウドファンディングとは】
クラウドファンディング(crowdfunding)とは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語。インターネットを通して自分の活動や夢を発信するプロジェクトの実行者が、その思いに共感した人や活動を応援したいと考える支援者から資金を募る仕組み。運営会社は、プロジェクトが成功した場合に集まった支援金の一定額を手数料として徴収するなどしたビジネスを展開している。目標や金額の設定が成否を分けるため、運営会社は実行者が考えるプロジェクトの内容を一緒に検討したり、使い勝手のよいプラットフォームの開発に力を入れている。
【レディーフォーの資金調達と外部人材登用】
レディーフォーは18年10月、グロービス・キャピタル・パートナーズ(東京・千代田)、起業家兼投資家の孫泰蔵氏が率いるミスルトウ(東京・港)、ストライプインターナショナル社長の石川康晴氏およびメルカリ社長の小泉文明氏を引受先とした第三者割当増資を行い、約5億3000万円の資金調達を実施した。外部の投資家から資金調達するのは14年の法人化以来初。人材面では、18年10月にグロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナーの今野穣氏が社外取締役に、メルカリ社長の小泉文明氏がアドバイザーに加わる。19年1月にはニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」の初期開発メンバーの町野明徳氏を新たに執行役員・最高技術責任者(CTO)に迎えるなど、積極的に外部人材の登用に動いている。

大切なのは、ゴール設定。何をしたいのか。何を実現したいのか

──大学や地方創生などでは個別のプロジェクトだけではなく、大きな流れを生むプログラムを開発していますね。

米良 そうですね。直近では多角的なパートナーとの協業していて、提携機関数は200を超えます。例えば地方創生に関しては返礼品合戦になってしまっているふるさと納税をクラウドファンディングの持つ「共感」でお金を集まるようにするような自治体向けのプログラム「Readyfor ふるさと納税」を提供しています。

他には大学向けのクラウドファンディング「Readyfor College」をリリースしました。すでに筑波大学、大阪大学をなど7校と包括提携を行い、累計1億5000万円のお金が大学の研究費用に集まっています。

──「Readyfor 緊急災害支援プログラム」など、今までとは異なる金の流れ方も生んでいますよね。

米良 募金に関しては、これだけいろんなものの透明性が高いのに、100円出したその募金がどこの何に使われたのかが分からないということがすごく気持ち悪いと思っていました。もっとリアルタイムで募金したお金はこうなりました、ということは誰しも知りたいはずで、それはテクノロジーによってできることの一つだと思ったのでスタートしたんです。

私自身は一つひとつのテーマ以上に、何かの仕組みを変化させることによってこれまでとは異なるお金の流れをつくること、お金の流れを変えることに関心があります。全部がその新しい流れに乗らなくても、10%でも流れたら、すごいものがつくれるようにもなるわけです。

これは血流みたいなもので、きれいに流れていない血液をどうやって流せるかという仕組みを考えているのがレディーフォーなんですね。

──それができれば血流のいい、健康な状態になるわけですね。

米良 そうですね。現状では大学単位やテーマ単位になっていますが、これからいろんな仕組みをつくることで、もっと大きな流れでお金が動くようにしたいと思っています。

──次々、仕掛けていっているわけですね。それだけ挑戦し続けられるモチベーションは、何でしょう。どうやって保つのでしょう。

米良 それはもう、社会の仕組みをつくりたいという一心ですね。新たな社会インフラをつくりたいという思いがすごく強いんです。むしろ、それが好きで、それ以外のことにあまり興味がないと言ってもいいくらい。

自分たちがつくり出すものが、世の中の当たり前になって、人々の生活を変える。特に私は社会的なひずみのようなものが、どういう仕組みを入れたら是正していけるのだろうということをいつも考えています。

例えば格差が広がればそれを是正しようと、これまでは国が施策をしてきたかと思うのですが、私自身は今の時代は、民間企業がテクノロジーの力でいろんな仕組みを導入することにより、変革を起こしていける時代なのではないかと思っているんです。そしてスタートアップ企業こそ、そうしたイノベーションが起こせるのではないかと。

特に、今まで資本主義では集まりにくいような分野に対して、何らかの手法を使ってお金を流すという、その流すための仕組みを発明していきたいというのが今の純粋な欲望です。

──では、全体を大きく変えるときに、どれくらいの期限を考えていますか?

米良 3年くらいですかね。3年後のことは分かりませんが、ただ、大きな挑戦だからといって100年かけるのでは私がコミットする必要性はないと思うんです。

私は目的志向の人間なので、目的に対して常に最適なものを選び、意味がないと思えばすぐやめる・捨てるということができるほうです。

大切なのは、ゴール設定。何をしたいのか、何を実現したいのかを明確にしていく。それがクリアであれば、ノスタルジーは一切なく、取捨選択して、新たな社会インフラづくりへ向けてまい進できると思います。

いつも会社に足りないものは何か、考えている

──事業のスピード感、経営としてのスピード感が増したのは、信頼できるメンバーが集まればこそとおっしゃっていましたが、ではそうしたメンバーはどのように選んでいるのでしょう。基準はなんでしょうか。

米良 経営者のレベルで会社は決まるなどとよく聞きますが、私は万能型人材ではないんです。だから自分とは違う優秀さを持つ人を仲間に入れるということに関しては、何のためらいもありません。むしろ何ができて、何ができないのか、自分でよく分かっているので、自分ができないことを誰かがやってくれるのであればとてもハッピーなんです。

スタートアップ企業は通常、会社の成長のほうが個人の成長より速くなってしまう傾向があり、最終的に追い付かなくなっていく。そんな中で、マネジメントや事業戦略、組織論に詳しくない私が何もかも把握するのは無理な話。一方で、この速いスピードには付いていかなければならないので、それなら自分の強みをとがらせていき、そのためにも強みではないものは全部捨てて、補完しあえる仲間を集めることで、成長の速度を落とさずに済む。

そのために、会社に足りないものは何だろう、どういう人が入ったら、どういうふうな拡張性があるのだろうといったことは、常に考えています。

──任せたら、もう口は出さないというスタンスですか?

米良 時には口を出したいと思うこともあります。でも、経営陣でもメンバーでも、自分より詳しいプロばかりです。自分が考えるより相手が詳しくて、その考えが整理されていると思ったら、私は「うんうん」とうなずくモードになりますね。

それぞれプロとして動いているのですから、そのプロフェッショナリティーが生きていればいい。違うと思ったら伝えますが、自分がマネージする対象としてではなく、みんながプロとして、教えてくれている人として話を聞いていきます。

──メンバーはそれぞれ持っている強みが違うということですが、タイプとしてはどうでしょう。米良さんと似たタイプの方が多いのでしょうか。

米良 違うタイプの人が多い……というより全員違い過ぎるくらい違いますね。

──でも、向いている方向は一緒なんですよね。

米良 向いている方向とスピードが一緒だから、どんどんスピードアップできているんだろうなと思っています。

──意思決定は、どのようにメンバーに伝えていますか。

米良 今後、大きな意思決定をしていく場面が増えると思うので、一層コミュニケーションを取り、「心理的安全性」を保っていきたいですね。よく分からない中で何かが決まっていくという状態は、不安を招きますよね。あすは何をされるんだろうと。でも、何をされるか分からないという恐怖は、仕事のパフォーマンスを下げると思うんです。

俯瞰(ふかん)してみるとレディーフォーでやってきていることは、当初から全然変わらない。それでも組織が変わっていくために、いろんな気持ちを覚える人が出るでしょう。だからこそ、最後に行きたいゴールを何度も何度も伝え、丁寧に、徹底的に透明性高く、みんなとコミュニケーションをしていきたいなと強く思っています。

米良はるか
1987年生まれ。2010年慶応義塾大学経済学部卒業、12年同大学院メディアデザイン研究科修了。大学院時代にスタンフォード大学に短期留学し、帰国後11年に日本初・国内最大のクラウドファンディングサービス「Readyfor」を立ち上げ、2014年「READYFOR(レディーフォー)」として株式会社化、代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任。11年世界経済フォーラムグローバルシェイパーズに選出され、日本人史上最年少でダボス会議に参加。現在は首相官邸「人生100年時代構想会議」議員や内閣官房「歴史的資源を活用した観光まちづくり連携推進室」専門家を務める。

(ライター 山田真弓、写真 小川拓洋)

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