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18年のベスト経済書 創造的破壊に迫る鮮やかな分析

2019/1/11

■探偵小説のような思考プロセスの魅力

そこから浮かび上がるのは、既存企業のイノベーションが遅れがちなのは「能力」の問題というより「意欲」の問題であるということだ。だが、こうした結論を得ることだけが本書の目的なのではない。経済学的な実証分析の手法や理論、それを使って思考を煮詰めていくプロセスそのものを体感できることが本書のもう一つの読みどころだ。さながら上質な探偵小説で名探偵の謎解きに引き込まれるような読書体験が味わえる。

「18年5月刊の本。ずっとじわじわ売れていたのが、ここへ来てもう一段売れ行きが伸びた」とビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。この本が「週刊ダイヤモンド」が経済学者・経営学者・エコノミストへのアンケートで毎年選んでいる「ベスト経済書ランキング」で2018年のベストワンになったためだ。同書店でも特設の書棚をつくって本書をはじめランキングに取り上げられた本を並べ、販促を仕掛けている。

■話題のトランプ本やビジネス教養書が上位に

それでは同書店のベスト5を見ておこう。先週は1日しか営業日がなかったため、先々週のランキングだ。

(1)潜在価値マーケティング平野淳著(幻冬舎)
(2)世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン渡辺順子著(ダイヤモンド社)
(3)会社四季報業界地図 2019年版東洋経済新報社著(東洋経済新報社)
(4)ビジネスフレームワーク図鑑アンド著(翔泳社)
(5)FEAR 恐怖の男ボブ・ウッドワード著(日本経済新聞出版社)
(5)BCGが読む経営の論点2019ボストン コンサルティング グループ編(日本経済新聞出版社)
(5)アクセンチュア流 生産性を高める「働き方改革」江川昌史著(日本実業出版社)
(5)「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明伊神満著(日経BP社)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2018年12月24~29日)

1位はまとめ買いが入ってのランクイン。マーケティングのプロによるデジタル時代のマーケティング理論書だ。ワインをテーマにしたビジネス教養書が2位。3位には定番の業界研究本が顔を出した。4位は思考のフレームワークを70例集めた本だ。5位には、4冊が並ぶ。トランプ大統領の意思決定現場を再現した話題の本や、今年の経営の課題を展望した本、働き方改革の本に混じって、今回紹介した本がランクインしている。

(水柿武志)

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