自国優先主義が生むリスク 円高圧力消えず(藤田勉)一橋大学大学院特任教授

写真はイメージ=123RF
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「日本株に関わるリスク要因は数多いが、特に警戒を要するのが円高だ」

2019年は、年初から世界の株式相場は乱高下している。18年の高値から安値まで、米国株(S&P500種株価指数)は20%、日本株(日経平均株価)は21%下落したので、弱気相場入りしたことになる。09年3月から約9年間続いた上昇相場は終わり、相場は大きな転換点にある。

日本株に関わるリスク要因は数多いが、特に警戒を要するのが円高である。筆者は繰り返し、最も注意すべき円高要因は米国第一主義であると述べてきた(詳細は18年7月の「米国第一主義は終わらない 円高リスク警戒」を参照)。そして、現在、そのリスクが一段と高まりつつある。

反グローバリズムの流れは構造的

世界的な反グローバリズムの流れは構造的であり、今年もこうした動きが加速することはあっても反転することはあるまい。そこで、世界的に地政学リスクが高まりつつある背景を歴史を振り返り分析する。

欧州では、17世紀のウェストファリア条約により国家主権が確立され、18世紀の産業革命や資本主義の成立を経て、植民地獲得を目指す帝国主義が生まれた。米国は1823年のモンロー宣言以降、孤立主義を選択した。米国は1920年に設立された国際連盟に加盟せず、30年代の大恐慌では欧米列強はブロック経済圏をつくった。このように、戦前の世界は孤立主義、帝国主義が主流であった。

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