ショートブーツで見違える 冬のジーンズコーデ
宮田理江のファッション戦略論
ジーンズは楽ちんだけど、カジュアルになり過ぎたり、着こなしが単調になったりしてしまうのは避けたいですよね。装いをアップデートする上で活躍してくれるのが、ショートブーツです。ファッションジャーナリストの宮田理江さんが解説します。
冬らしい靴の代表格といえるブーツは、装いのムードを左右する頼もしい相棒だ。手持ちのジーンズに合わせるだけで、こなれたカジュアルコーディネートに整えられる。イージーな普段着風にまとまりがちなジーンズルックを、好みのテイストに仕上げる上で、ブーツは格好のムードメーカー。春まで使えるジーンズコーデのポイントを押さえておこう。
ブラウン系ブーツで好印象のきれいめカジュアルに
ブラウン系のショートブーツはカジュアル感と上品さを兼ね備えた、万能タイプの冬ブーツ。ジーンズに添えるだけで、落ち着いた「きれいめカジュアル」風の装いに仕上がる。こちらのジーンズは、左右の色が違うというトリッキーな造りだが、茶系のショートブーツが穏やかに着地させている。
白いハイネックのニットセーターはクリーンでのどかな風情。その上から羽織ったムートンジャケットは、カラートーンがブーツと近いので、全体がうまくなじんでいる。ブーツと服の色をそろえるのは、冬ルックを自然に調和させるコツだ。ブラウン系を選ぶと、ブルージーンズとのバランスがよくなる。
黒ブーツで引き締め、あか抜けたシックカジュアルに
黒はブーツでも定番のカラーだ。ただ、見慣れているからこそアレンジを工夫しないと、平凡に見えがち。首、手首、足首という細い部分に黒をあしらうと、冬ルックを引き締めてくれる。スリムなジーンズとのコンビネーションは、全体をさらにシャープに見せる。
コーデのポイントは色数を増やし過ぎないこと。黒の引き締め効果を生かすには、白やグレーといった無彩色が効果的だ。ツイード生地で仕立てたノーカラー(襟なし)のジャケットは、ジーンズルックをあか抜けた印象に見せている。エレガントなトップスや羽織り物を選ぶと、ジーンズ姿から普段着っぽさを遠ざけやすい。
白ブーツで爽やか感、クリーンなレトロカジュアルに
足元に「白」を迎えるコーデに人気が集まっている。今シーズンの新顔アイテムとして浸透しつつあるのが真っ白いブーツ。白ならではのイノセント感やすがすがしさは、ダークカラーで沈んで見えがちなコート姿を爽やかに演出してくれる。
レトロやクリーンなムードが漂うのも、ホワイトブーツならではの効果。ブルージーンズとの相性もぴったりで、コートの裾下ゾーンをすっきり整えられる。
ブーツの色や質感でムードを操る
ジーンズは年間を通してはきこなす、ほとんどオールシーズンのアイテム。だから、シーズンごとに異なるコーデを用意したい。冬は色や質感でムードを操れるショートブーツを合わせれば、コート姿にも味わいを添えやすい。ブーツとのコンビネーションを試せば、冬のジーンズルックがもっとバリエーション豊かになるはずだ。
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
[nikkei WOMAN Online 2018年12月8日付記事を再構成]
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