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人を育て、チームをまとめて動かすのが「プロ上司」の手腕。写真はイメージ=PIXTA

人を育て、チームをまとめて動かすのが「プロ上司」の手腕。写真はイメージ=PIXTA

部下を持つ管理職ポストを敬遠する動きが広がっている。ハラスメント批判が勢いを増すなか、部下を持つ「リスク」や責任の重さと昇進の「利益」が釣り合わないと感じる人もいるようだ。しかし、「なぜか、やる気がそがれる 問題な職場」(青春出版社)を書いた見波利幸氏は「むしろ本当のマネジメント能力を備えた『プロ上司』が出現するチャンス」と見る。上司が直面する課題や求められる「プロ上司」像を聞いた。

ハラスメント防止や組織防衛…、新任上司に重荷?

見波氏が代表理事を務める日本メンタルヘルス講師認定協会は、メンタルヘルスの講師を育成し、主に企業向けに紹介している。コンプライアンス意識の高まりを背景に、企業からの引き合いは増える傾向にあるという。「大企業が先行したハラスメント対策に、中小企業も乗り出してきたのが近ごろの変化。訴訟リスクの回避やモチベーション管理の必要性がようやく理解されるようになってきた」(見波氏)

風向きが変わったきっかけのひとつは、新入社員の過労自殺問題で電通が批判を浴びた一件だ。従来は産業医が年に一度、心構えを説く講話風セミナーを開く程度だった企業も、管理職向けの専門的な講習会を考えるようになったという。しかし、ハラスメント対策だけとっても、「講師一人が大勢に話す、1回90分程度の講習では量も質も足りない」と見波氏はみる。メンタルヘルスの講師育成に取り組むのも、そうした事情からだ。

一般的なハラスメント講習はNG行為の列挙で終わりがちだ。中身も組織防衛の視点から、上司側に言動を戒めるような形になることが多く、「部下を持つ管理職は追い詰められたような心理になりやすい」(見波氏)。会社の体面を守るというミッションを背負わされ、部下の前に放り出されたような心境になり、強いストレスを感じやすくなる。

部下との距離遠く、人材育成の機能不全に

最近では「部下は、ほしくない」と訴える人も珍しくないという。部下との向き合い方に不安を覚えるあまり、部下との距離を従来以上に保ち、いさかいを避けようとする上司もいるようだ。

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