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1回1000円「出国税」がスタート チケット代に上乗せ

2019/1/2

海外に行く際、出国時に税金がかかるようになると聞きました。どのように課税されるのでしょうか。

◇  ◇  ◇

2019年1月7日から日本を出国する人に新たに国際観光旅客税(出国税)が課される。1人1回1000円で、原則、出国に利用する飛行機や船舶を運航する会社が代理で徴収する。航空会社や船舶会社は国際観光旅客税をチケット代に上乗せして請求し、出国者に代わって納付する。

■トランジットは対象外

新たな税金による収入は国内の観光資源の整備や情報発信などに使われる予定だ。ここ数年、訪日外国人が急増しており、18年は推計3000万人に到達する見込み。政府は30年までに訪日客を6000万人に増やすことを目標にしており新税で訪日客が旅行しやすい環境整備を急ぐ。

課税対象者は国籍は問わず、2歳以上の出国者。プライベートジェットなど自己所有の航空機や船舶で出国する場合は自分で納付手続きをする。

日本に派遣された外交官や政府専用機を利用する出国者などには課税されない。日本の滞在時間が24時間未満の場合も課税されないので、航空機の乗り継ぎ(トランジット)は原則、対象外となる。このほか、一度出国したものの、天候不順などを理由に引き返した人が再出国する場合も課税の対象とはならない。

課税されるのは1月7日以降に購入したチケットで出国する場合。国税庁ではこれ以前に購入した場合は原則、課税しないとしている。日本航空や全日本空輸はこの方針に沿って7日以前に購入した航空券では出国税を徴収しない。

7日以前に買った場合でも、航空会社や船舶会社が契約時に明記した上で税金を徴収することは可能で、運行会社によっては徴収対象となる航空券の基準が異なる場合もあるので確認が必要だ。

契約時点で出国日を確定しない「オープンチケット」で7日以降に日程確定をしたり、航空券の出国日を7日以降に変更したりした場合には課税される。

■旅行会社によって対応異なる

航空券とホテル、観光案内などを一括手配するパッケージツアーを手掛ける旅行会社では商品ごとに徴収対象時期が異なる。

旅行会社大手のJTBでは「ルックJTB」のブランドで提供するパッケージツアーについて、出発日が2月4日以降の商品を予約時期を問わず税を徴収するという。

エイチ・アイ・エスでは原則、出発日が1月7日以降の旅行が対象になるものの、契約形態や時期などによって免除するケースがあるという。航空会社の種類や条件によって、同じ旅行会社の同時期の旅行でも対応が異なる場合もある。

ファイナンシャルプランナーの平野敦之氏は「1回1000円とはいえ、年に何度も海外渡航する人などは見過ごせない負担増になる」と指摘する。1月7日以降に海外渡航の予定がある人はまずは課税対象かどうかを確認をしてみたい。

[日本経済新聞朝刊2018年1月5日付]

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