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増税や資産運用どうする 19年の家計、専門家の処方箋

2019/1/6

飲食料品については消費者が混乱する場面があるかもしれない

2019年は家計を取り巻く環境が大きく変わる。10月に消費税率の8%から10%への引き上げが予定され、増税対策として住宅ローン減税が拡充される。株価の波乱が続けば資産運用でさらなる対応が求められそうだ。相場の見通しを含め、家計への処方箋を4人の専門家に聞いた。

■消費増税
「購入時期の工夫を」 辻・本郷税理士法人 浅野恵理氏(税理士)

消費税率の引き上げは家計の収支に大きく影響する。19年は8%から10%への移行期なので、契約や購入のタイミングによっては増税後に利用する商品やサービスでも8%で済むケースがある。スケジュールを確認し、計画的に行動することが大切だ。

まず、19年3月31日までに契約する注文住宅や披露宴などの代金には、住宅の引き渡しや披露宴の日程が10月以降でも、8%が適用される。ただし、4月以降に披露宴の人数が増えたり追加工事を発注したりすると、その分には10%になる。4月以降に変更が出ないよう注意したい。

また、電車、バス、船舶、飛行機などの旅客運賃や映画、音楽、スポーツ、美術館などの入場料については9月30日までに支払えば、サービスを利用するのが10月以降でも8%で済む。6カ月定期券や遊園地の年間パスなどは9月末までに購入する方が有利だ。

増税後も酒類を除く飲食料品や一定の新聞には軽減税率が適用され、8%に据え置かれる。飲食料品については消費者が混乱する場面があるかもしれない。

例えば、出前やテークアウトの食品は8%だが、同じものを店で食べると外食になるため10%になる。みりんとみりん風調味料、発泡酒とノンアルコールビールなど、似たような商品でも税率が異なる。

増税後の消費の落ち込みを防ぐため、10月以降、値下げやポイント還元なども行われる予定だ。少しでも家計の負担を減らすためには情報収集も重要になりそうだ。

■住宅
「中古は値下がりも」 さくら事務所会長 長嶋修氏(不動産コンサルタント)

消費増税は住宅市況に大きな影響を与えないだろう。

住宅ローン減税の期間が現行の10年から13年に延長されるほか、一定額以下の収入の人に一時金を渡す「すまい給付金」の年収要件が緩和され金額も拡充が検討されている。借入額や収入によっては、増税前の8%よりも増税後の10%で購入したほうが減税や給付金の効果で得をする人もいるだろう。このため、住宅を駆け込みで購入する動きや、その後の反動減は限定的だとみている。

新築は都心のマンションで需要に息切れはあるものの、デベロッパーが価格の維持を狙って発売戸数を減らしてくる可能性が高いと思われる。

一方、中古マンションについては、株価動向を注視することが必要だ。東京都心3区(千代田、中央、港)の中古マンション価格は日経平均株価と一定の時間差で連動する。都心の高額な中古マンションを購入する高所得層は株式への投資比率が高く、株価の下落傾向が続けば需要が減って、19年春ごろの値崩れもあり得る。結果的に、新築と中古の価格差が広がる1年となるかもしれない。

今まで以上に資産価値が落ちにくい物件を選ぶ姿勢が大切になってくる。都心、郊外とも駅前、駅チカなど利便性の高いエリアの住宅は価値を保ちやすいのが一般的だ。

すでに住宅ローン金利の水準は低く、一段の低下余地は狭い。先行きの上昇リスクを考慮すれば、変動型より固定型を選ぶほうが無難だといえる。

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