新種のヘビの発見場所はヘビの腹 42年間謎は解けず

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/1/14

奇妙な特徴

このヘビの腹側は、小さな三角の模様が連なって、3列の縞模様のようになっている。南米や北米に、このような模様を持つヘビはほとんどいない。また、上あごには14本の短く丈夫な歯があるが、近縁のヘビではこれより多いか少ないかのどちらかだ。

だが、Cenaspisの最も奇妙な特徴は、生殖器「半陰茎」にある。近縁種はほとんど、半陰茎にとげがついていたり、先端にカップのような構造がついていたりする。しかし、このヘビの半陰茎にはとげはなく、全体がカップ構造に覆われており、異世界の蜂の巣のような見かけになっている。

こうした珍しい特徴をもつことから、今回のヘビは新種というだけではなく、新しい属として認められることになった。

「新種の発見というのは、つねに興味深いものです。既知の種に近くない種なら、なおさらです」と、米スミソニアン国立自然史博物館の両生爬虫類コレクションの学芸員であるケビン・デ・ケイロス氏は語る。

米テキサス大学アーリントン校の両生類・爬虫類多様性研究センターには、20万以上の両生類や爬虫類が保管されている(PHOTOGRAPH BY CARL J. FRANKLIN)

しかし、Cenaspisを最初に見つけたのが人間でなく、サンゴヘビだったという点は驚くべきことではない。サンゴヘビは、小さなヘビを狩って食べるのが得意で、サンゴヘビの体内からほかのヘビが見つかった例も少なくない。だが、キャンベル氏が知る限り、サンゴヘビの中から新属新種が見つかったのは初めてのことだ。

今回のヘビの生態については、ほとんど何もわかっていない。だが、別のヘビの腹の中から見つかったということは、世界の生物多様性について、まだ知られていないことがたくさんあるという重要な教訓を与えてくれる。「今回の発見から、新熱帯区にはかなり独特な進化を遂げ、まだ見つかっていないヘビがいる可能性が高いことがわかります」と、デ・ケイロス氏は話す。

キャンベル氏にとっては、独特な特徴を持つCenaspisの生息地も特別であり、かけがえのない場所だ。国立公園や保護区に指定する価値は十分あると考えている。

(文 JAKE BUEHLER、訳 鈴木和博、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年12月21日付]

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