危険なダイエットの末路 20代女性に広がる栄養失調

2019/1/10

痩せようとして食事制限などをすることには、もう一つの問題がある。隠れ肥満だ。見た目はスリムなのに、筋肉に比べて体脂肪ばかりが増えてしまっている隠れ肥満が、痩せている女性の間に増えていることが、東京・丸の内の働く女性の健康調査を実施した「まるのうち保健室」の報告書(※2)でも指摘されている。

隠れ肥満は、カロリー制限をすることで筋肉が落ちたところに、ダイエットのリバウンドで食べてしまったものが脂肪となって蓄積してしまった状態。隠れ肥満の女性は、筋肉が落ちてしまった高齢者のような体の状態なので、若いのに既に筋肉スカスカの「寝たきり予備軍」状態になってしまっている可能性もあるのだ。

※2:2016年度 まるのうち保健室報告書 働き女子白書(三菱地所・ラブテリ)

若いのに筋肉スカスカ、生まれてくる赤ちゃんにも影響

痩せ過ぎによる栄養不足は、あなた自身の見た目や健康を損なう大きな要因というだけでは済まないことがわかってきている。

妊娠した女性が栄養不足の状態だと、低出生体重児になりやすくなる(写真はイメージ=PIXTA)

妊娠した女性が栄養不足の状態だと、出生体重が2500g未満の低出生体重児になりやすくなる。そして低出生体重児は、2型糖尿病になるリスクが正常体重の子どもに比べて高くなるなど(※3)、生活習慣病をはじめとした病気のリスクが高まることが分かってきているのだ。

栄養不足と赤ちゃんの健康については、別の回で解説するが、まずは「いつか赤ちゃんを産みたい」と思っている人は、日ごろから栄養不足にならないように意識して食べるものを選んでほしい。

では、妊娠したい人が目指したいBMIはどのくらいなのだろう。

「米国の看護師を対象に行われた大規模な調査の結果、妊娠しやすいBMIは20~24ということが分かった。米国より痩せている人が多い日本人の場合、まずはBMI 20~22を目安と考えるといいのではないか」と低出生体重児の問題を考える日本DoHaD学会の代表幹事、福岡秀興氏(産婦人科医)はアドバイスする。

痩せたいと思って食事制限をしている人で、近いうちに妊娠をしたいと考えている人は、未来のあなたの赤ちゃんのために、今よりもう少しだけふっくらしてみることを考えてみてほしい。

※3:BMJ 2015; 351 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.h3672(Published 21 July 2015)

(文 黒住紗織=日経BP総研メディカルヘルスラボ、ヘルシー・マザリング・プロジェクト)

[nikkei WOMAN Online 2018年10月1日付記事を再構成]

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