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老舗の完全無線イヤホン対決 ゼンハイザー対オーテク

「年の差30」最新AV機器探訪

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NIKKEI STYLE

スマートフォン(スマホ)とイヤホンをつなぐケーブルだけでなく、イヤホンの左右をつなぐケーブルもない「完全ワイヤレスイヤホン」。2018年は、この完全ワイヤレスイヤホンが普及した一年だった。電車などで見かける機会も増えたし、様々なメーカーが製品を発表。音質、デザイン、価格など、多彩な新作が続々と登場している。

18年11月にはオーディオテクニカ、12月にはゼンハイザーと老舗の音響メーカーからも完全ワイヤレスイヤホンが発売された。市場としては後発になるが、音作りに定評のある両社が満を持して発表した完全ワイヤレスイヤホンはどんな製品に仕上がっているのか。平成生まれのライターと、昭和世代のオーディオ・ビジュアル評論家が、2機種を聴き比べた。

略称はオーテク? それともテクニカ?

小沼理(26歳のライター、以下、小沼) 今回比較するのはゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless」とオーディオテクニカの「ATH-CKR7TW」の2機種です。

小原由夫(54歳のオーディオ・ビジュアル評論家、以下、小原) どちらもブランドにとって初の完全ワイヤレスですね。満を持してという感じです。

小沼 まず、それぞれのメーカーのことを教えてください。ゼンハイザーってどこの国のブランドなんでしょうか。

小原 ゼンハイザーはドイツのメーカーで、技術者で大学教授もあったフリッツ・ゼンハイザー博士が起こした会社です。ヘッドホン製作の歴史も長い。「HD 414」という、オーディオマニアにとっては印象的なヘッドホンがあるんですよ。

小沼 どんなヘッドホンなんですか?

小原 これは半世紀前に発売された、世界初のオープンエアー型(開放型)ヘッドホンなんです。折りたたみ式で軽く、革新的なモデル。イヤーパッドが鮮やかな黄色だったことも印象的でした。

小沼 歴史あるメーカーなんですね。オーディオテクニカはどうですか? 僕が高校生の頃は、みんな「オーテク」のヘッドホンを使っていました。

小原 小沼さんの世代は「オーテク」なんですね。僕らの世代は「テクニカ」と呼んでいるんですよ。

小沼 ええっ、そうなんですか! テクニカ、ってなんだか慣れない響きですね……。

小原 僕だってはじめてオーテクと聞いた時は「なんだそれ」と思いましたよ(笑)。

小原 オーディオテクニカは1962年創業の、日本のブランド。最初はレコードのカートリッジを開発していました。

小沼 最初からヘッドホンが主力ではなかったんですか。

小原 若い人にとってはヘッドホンの印象が強いみたいですね。実際、近年はヘッドホンの評価が高く、日本に限らず、ヨーロッパ、アジア圏、中東などで高いシェアを誇っていますよ。

技術点のゼンハイザー、基本点はオーテク

小沼 では、実際に聴いてみていかがでしたか? ゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless」は3万9000円前後、オーディオテクニカの「ATH-CKR7TW」は2万6000円前後(ともに税込み、2018年1月上旬、家電量販店のネットショップで調査)。価格的には高級路線ですが。

小原 率直に言って、今回の対決はレベルが高かったと思います。ゼンハイザーはまず、情報量が多くて帯域が広いですよね。個人的には少し低音が出すぎているかなと感じたけど、トータルの完成度が高いです。

小沼 僕はゼンハイザーの音はすごく好きでした。立体感があって、情報量が多い。聴いていて気持ちよかったです。

小原 小沼さんが好きそうな音だなと思いましたよ(笑)。打ち込みを使った最近のポップスを聴くと楽しいですよね。でも、僕はオーディオテクニカのほうが好きだったかな。

小沼 そうなんですか。どんなところが魅力的だったんでしょう?

小原 褒め言葉に聞こえないかもしれませんが、オーディオテクニカはいい意味ですごく普通の音なんですよ。これ見よがしなところがなくて、高い音から低い音まで、フラットでバランスが良い。ポイントを挙げて感心することはないけれど、安心して使えるイヤホンですね。

小沼 なるほど。僕はそれが物足りなく感じたのかもしれませんね。価格も3万円弱と、完全ワイヤレスイヤホンとしては決して安くないですし、せっかくなら音で驚かせてほしいと思ってしまいました。

小原 クラシックやジャズなどは、オーディオテクニカで聴くとすごく気持ちがよかったですよ。午前の仕事を終えて、電車の中で聴いているとまどろんでしまうほどでした。フィギュアスケートにたとえるなら、技術点が高いのがゼンハイザー、基本点が高いのはオーディオテクニカという感じではないでしょうか。

ペアリングが安定しているオーテク

小沼 続いて、音質以外の点を見てみましょう。使い心地やデザインはいかがでしたか?

小原 どちらもウイングで固定したり、耳に押し込んだりしないので最初は落ちそうで心配でしたが、使ってみると問題なかったですね。

小沼 意外と外れないものですよね。耳が痛くなることもなく、つけ心地は快適でした。

小原 それと、オーディオテクニカはペアリングがすごく安定していました。これまで様々な完全ワイヤレスイヤホンを使ってきましたが、断トツだと思います。

小沼 僕はペアリングについては、両機種ともに遜色ないと感じました。どちらもストレスを感じるようなことはなかったです。

小原 ゼンハイザーも安定していましたけどね。だけどやっぱり、オーディオテクニカの途切れにくさは印象的でした。テクニカは社内基準の厳しさから、完全ワイヤレスの商品化にとても慎重でした。開発途中のフィールドテストで得た知見や、メーカーとしての意地があるのではないでしょうか。外れにくい、途切れにくい、使っていて違和感がない。そんな基本的なところがきちんと満たされているのが、オーディオテクニカの優れた点だと思います。

個性ではなく音質で勝負する

小沼 続いてケースや、バッテリーなどの機能面を見ていきましょう。

小原 ケースはどちらも小さく、携帯性に優れていますね。

小沼 特にゼンハイザーのケースは小さいので、ポケットに入れても違和感がありませんでした。個人的には、このコンパクトさも魅力でした。

小原 ゼンハイザーのイヤホン自体は意外と大きいのにね。あと、ゼンハイザーはデザインが格好良い。他にはない質感で、指輪のケースのようです。

小沼 オーディオテクニカはデザインはシンプルですが、ケースと本体のバッテリーの残量がわかりやすいのは良いと思いました。

小原 小沼さんがいつも気にしているバッテリーの持続時間はどうなんですか。

小沼 オーディオテクニカは6時間、ケース併用で15時間。ゼンハイザーは4時間、ケース併用で12時間です。どちらも申し分ないですね。一方、防水機能はゼンハイザーが汗や雨に強いIPX4で、オーディオテクニカは特になし。ただ、ゼンハイザーも特別防水性能が優れているわけではありません。

小原 ノイズキャンセリング機能もないし、遮音性も普通ですよね。どちらも付加機能ではなく音質で勝負する、オーソドックスなイヤホンといえそうです。小沼さんはどちらが好きでしたか?

小沼 僕はやっぱりゼンハイザーですね。情報量が多く、広がりのある音が好みだったことに加え、デザイン面でも引かれました。小原さんは?

小原 僕はバランスの良いオーディオテクニカですね。これまではベストに音質に優れたJBLの「JBL FREE」を挙げていましたが(記事「完全無線イヤホン 音質か操作性か、世代で違うベスト」参照)、現時点ではこっちがナンバーワン。でも、ゼンハイザーもナンバーツーにしたいくらい、よくできた一台だったと思います。両社ともオーディオメーカーとして評価が高く、技術力のある老舗です。ヨーロッパのゼンハイザー、日本のオーディオテクニカということで、意味のある比較だったと思います。

◇ ◇ ◇

小原さんに「今回はレベルが高い」と言わしめた、オーディオテクニカとゼンハイザー。両機種とも音質、ペアリングの途切れにくさなど、完全ワイヤレスイヤホンに求められる基本的な要素を十二分に満たしており、それが何よりの魅力となっていた。

ソニーやJBLのように、すでに第二世代の完全ワイヤレスイヤホンを発売するメーカーも出てきている。第二世代のイヤホンは、スポーツ対応など個性を打ち出したものが目立つ。ラインアップの多様化が進む中でも、高級路線のイヤホンは一定の存在感を示すことになりそうだ。

小原由夫
 1964年生まれのオーディオ・ビジュアル評論家。自宅の30畳の視聴室に200インチのスクリーンを設置する一方で、6000枚以上のレコードを所持、アナログオーディオ再生にもこだわる。2018年のベストアルバムはキングクリムゾンの『メルトダウン~ライヴ・イン・メキシコ』。
小沼理
 1992年生まれのライター・編集者。最近はSpotifyのプレイリストで新しい音楽を探し、Apple Musicで気に入ったアーティストを聴く二刀流。18年のベストアルバムは七尾旅人の『Stray Dogs』。

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(写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)

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