書店員おすすめ 年末年始に読むべきビジネス書9冊

ITの4巨人を巡る2冊

リブロ汐留シオサイト店の三浦健さんはアマゾン本にも注目する

一方の三浦さんは「今年目立ったのはアマゾンなど米国のプラットフォーマーに関する本」と話し、その代表として成毛真『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)をもう一冊にあげた。元日本マイクロソフト社長の成毛氏がアマゾンの事業展開と戦略をわかりやすくまとめた内容だ。何でもそろう電子商取引(EC)企業であり、クラウドサーバーのトップ企業でもある同社は、無関係に思える企業や業界へも大きな影響力を発揮しつつある。ビジネスの世界に身を置く人は誰もがその動きを知っておく必要がありそうだ。

三省堂書店有楽町店の岡崎史子さんは、同じ観点からもう一つの話題の書、スコット・ギャロウェイ『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(渡会圭子訳、東洋経済新報社)をすすめてくれた。こちらはアマゾンだけでなく、グーグル、フェイスブック、アップルを加えた4社が強大な力を手にした経緯をたどり、4社が支配する世界で、個人はどう立ち回ることができるかを探った翻訳書だ。「今の時代は、この4社の動向から目が離せない。中でもその4社をまとめて正面から論じているのが、この本」と岡崎さん。巨大IT企業4社を対象にした本は多いが、時間がなければ三浦さんと岡崎さんのあげた2冊を読んでおくといいだろう。

糸井重里氏が語る異色の経営書

三省堂書店有楽町店の岡崎史子さんはGAFAの本と糸井重里さんの経営論をすすめる

岡崎さんがもう一冊に選んだのは川島蓉子・糸井重里『すいません、ほぼ日の経営。』(日経BP社)。伊藤忠ファッションシステム取締役でジャーナリストでもある川島氏が聞き手となり、ほぼ日社長の糸井氏がその事業、人、組織、上場、社長について語っていく本だ。「フリーのコピーライターだった糸井氏が人と一緒に仕事をする形として会社をつくって経営者になっていく。組織で働く一人として、いろいろと読み返したくなる言葉が詰まっている」と岡崎さんは話す。身近で日常的な言葉で語られると、数値化を伴った論理で語られがちな経営に、人くさい手触りが生まれる。ちょっと異色の経営書だが、働き方改革や新しい働き方が様々に論じられる今日、読み込んでおきたい経営書だ。

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