Fashion × Tech

海中でもファッションショー VRが生むアパレル革命 サイキックVRラボ 八幡純和氏

2019/1/9

■「VRで服を買う時代を予感する」

――VRによってファッション体験はどのように変わるのでしょうか。

「例えば、編み機で有名な和歌山市の島精機製作所と一緒にVRショールームをつくったことがあります。島精機のアパレル用CAD(コンピューターによる設計)で作成した服をスタイリーに入力し、VR空間で展示するという試みです。実際に製品サンプルを生産することなく、展示会を開催することができます」

島精機製作所と制作したVRショールーム。VRゴーグルを通して見ると、洋服も現実と変わらないほど鮮明に映る

「今後はバーチャルで3Dの洋服を展示したり、ショーを行ったりすることが普通になってくるのではないかと思っています。サンプルを作らずとも、受注生産や予約販売のようなことができるようになるのではないでしょうか」

――VRでのショッピングも広がっていくのでしょうか。

「そういう世界は来るのかなと思いますね。chloma(クロマ)というアパレルブランドとつくったサービスでは、マイクロソフトのホロレンズというサングラスのようなデバイスをかけると、バーチャルの洋服とそれを着たモデルが空間に浮かび、洋服の購入までできるアプリを開発しました。パルコにスペースを提供してもらい、実際に来たお客さんに体験してもらいました」

chloma(クロマ)とコラボして展開したVR空間。「BUY」ボタンを押すと、展示してある服を買うことができる

「VRショッピングで有名なのは中国のオンラインマーケットなどを運営するアリババ集団ですね。米国や中国ではVRが一般的になってきているので、近い将来VRショッピングが可能になるサイトが一気に増えるのではないかなとみています」

――今後のスタイリーの課題は何ですか。

「クリエーターのVR導入ハードルを下げることです。最近はNEWVIEWというプロジェクトをはじめました。パルコ、ロフトワークと一緒に取り組んでいます。ファッションや音楽、映像、グラフィックなど様々なクリエーターやアーティストが集まり、VRを使って新しいクリエーティブ表現と体験をデザインしていく実験的プロジェクトです。ワークショップなども開催し、作品づくりのサポートなども行っています。夏にはNEWVIEWアワードというコンテストも行いました」

「ビジネス的な展開としては、クリエーターが収益化できる仕組みを進める必要があります。売り上げが大きくならないと市場が大きくならないので、使い手にメリットがあるような仕組みを考えることが重要ですね」

八幡純和
エンジニアとして携帯電話会社の公式コンテンツ配信プラットフォームやアプリストアなど、大規模システムの開発・運用に携わる。2015年、サイキックVRラボに参画。エンジニア、クリエイティブディレクターとして三越伊勢丹やパルコ、ファッションブランドとVRを活用した様々な企画を手掛ける。

《会社概要》
社名:サイキックVRラボ 設立:2016年5月 所在地:東京都新宿区 代表取締役:山口征浩 事業内容:VRクリエイティブプラットフォーム「スタイリー」の運営、開発

文:FACY編集部 岩崎佑哉(https://facy.jp/) 写真:長井太一

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