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東京・日本橋に離島料理集結 国内80島の味を堪能

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NIKKEI STYLE

「くさや」「あおちゅう」「黒糖焼酎」など、個性あふれる食材の宝庫である日本の離島。ただ、離島の食べ物の土産話は聞いたことがあるけれど、実際に食べたことはないという人も多いのではないだろうか。そんな人にお勧めの店が「離島キッチン」(東京・神楽坂、日本橋)。東京都心で全国の離島料理を楽しめるユニークな店だ。

日本には多様な食文化が根付いており、とりわけ離島の食は珍しいものが多い。本土と海で隔てられているため、独特の発展をとげて他にはないひと味変わった食材が多いからだ。日本全国には400超の人が住む有人島があるとされる。「離島キッチン日本橋店」にはそのうち80の離島の食材が集まる。全国の離島から幅広く、これだけの食材を集める店は珍しい。土日祝日のランチには各地の離島の食材を使った「ランチ島巡り御膳」(2000円、税別)を提供する。

離島キッチン日本橋店の山崎壮摩店長に離島の食の特徴について聞いてみた。

「離島食材は環境に適応するための島民の知恵や工夫によって生まれたものが多いのが特徴の一つだと思います」と語る。例えば、長崎・対馬は平地が少ないため稲作が難しく、サツマイモが多く生産されてきたという。このサツマイモを保存するため、複雑な工程をへてでんぷんだけを取り出して乾燥させて麺状に加工したものが「ろくべえ」という麺食材だ。

ほかにも、島根・隠岐諸島の「ふくぎ茶」は煎茶の代わりにクロモジという植物の枝を乾燥して煮出したもの。鹿児島・喜界島の「そら豆茶」はソラマメの皮を乾燥させたもの。「このように制約のなかで工夫を凝らして生まれてきた食材が離島にはたくさんあります。そうした食材から島の風土や歴史、暮らしに思いをはせることができます」(山崎さん)

店が誕生したきっかけは、離島キッチンの創業者である佐藤喬氏が2009年に隠岐諸島・中ノ島の海士町観光協会が募集していた「行商人」の求人に応募したことだった。

佐藤氏は中ノ島だけでなく、「離島」という大きなくくりで店を出すことにした。最初はキッチンカーで全国を回り、水戸、平塚、浅草などに期間限定のショップを展開。その後、15年9月に神楽坂に常設店舗をオープン、16年に福岡店、17年には札幌店をオープンした。

店を訪れた人に島に足を運んでもらおうと、18年にオープンしたのが日本橋店だ。日本橋店では離島の料理を提供するだけでなく、物販コーナーで離島の雑貨や工芸品を販売し、離島をテーマにしたイベントも行う。ランチ、ディナーとも近隣のビジネスパーソンでにぎわう。土日やカフェタイムは女性の買い物客も多い。

では「離島キッチン」で食べられる離島料理はどんなものだろう。

まずは離島キッチンのふるさとである島根・中ノ島(海士町)の料理を紹介しよう。夏は涼しく、冬は温暖な海士町には、特殊な冷凍技術を使って出荷されるブランド岩ガキ「春香」や、島で「シマメ」と呼ばれるスルメイカなどがある。このスルメイカを細切りにし、イカの肝、しょうゆ、酒などの調味料でヅケにしたものをご飯にのせた「寒シマメの漬け丼」(1200円、税別)は離島キッチンの人気メニューだ。

海士町の「イカの子の酢味噌和(あ)え」(480円、同)は他ではなかなか味わえないメニューだ。スルメイカの卵巣とネギを酢味噌であえたもので、イカの甘みとうま味が凝縮され、抜群の酒のアテになる。

札幌店はNPOの利尻ふる里・島づくりセンターが運営している。このため日本橋店でも北海道・利尻島の食材が豊富にそろう。利尻島は厳しい冬が特徴で、冷涼な海で育つ昆布、ウニ、ホッケが特産品だ。中でも利尻昆布はだし昆布として多くの高級料亭で重用される。北海道の郷土料理として知られる「ちゃんちゃん焼き」は通常サケを使うが、利尻島ではホッケを使う。

次は南の島の味を紹介しよう。年平均気温が20度を超え、亜熱帯性気候の鹿児島県奄美大島の特産品に、サトウキビから作られる黒糖焼酎があり、島酒の代表格といえる。離島キッチン日本橋店では、挑戦しやすい飲み比べセット(900円、同)もある。黒糖から作られるので甘いと思われがちだが、蒸留酒で甘みはなく、スッキリと軽やかな飲み口だ。

東京・伊豆諸島の有人島の青ヶ島には「あおちゅう」がある。もちろんこちらも飲み比べセット(1100円、同)がある。また、伊豆諸島で作られる「くさや」は強烈なにおいを持つことで有名だ。「くさや食べ比べセット」(500円、同)は食べやすいようにほぐしてあり、入門編にピッタリ。実際に食べてみるとうま味が強く、においはそこまで気にならない。大人数で少しずつ味見するのも楽しい。

「八丈島のムロアジメンチカツ」(780円、税別)はムロアジのミンチで作られたメンチカツ。魚が原料とは思えない食べごたえで、ランチにも入る店の定番メニューだ。伊豆大島の肉厚なサバも魅力的。蒸したサバをほぐして特産の明日葉とあえた「鯖(サバ)と明日葉の和え物」はご飯との相性も良く、小鉢やランチのまぜご飯としても提供される。

これだけ多彩な島料理がそろえば、何を頼んだらいいか迷ってしまう。島料理初心者が頼むべきマストメニューを教えてもらった。

「島根県中ノ島の岩ガキ・春香(1280円、同)がお勧めです。隠岐の海でゆっくりと育てられた甘みとコクのバランスが絶妙な生ガキで、大粒でクリーミーな味わいが特徴です」(山崎氏)

では、島酒ビギナーにお勧めの飲み方はどんなものだろうか。

「飲みやすいのは屋久島のジンジャーシロップや壱岐島のゆずを使ったサワー・ハイボールですね。女性に人気があります。酒とつまみはそれぞれ近い地域ものを組み合わせるのがお勧めです。例えば伊豆諸島の麦焼酎には新島・八丈島のくさやの食べ比べを、泡盛には沖縄・石垣島の肉味噌を乗せた冷ややっこを合わせるのはいかがでしょうか」(山崎氏)

離島キッチン日本橋店のコンセプトは「島とつながり、島とともに成長する」ことだという。

店では月ごとに1つの島の特集を組んでいる。19年1月は長崎県五島列島フェアを開催、ハガツオの薫製や、生のアジから手作りで作ったこだわりのかまぼこなど、五島の海の幸を使ったメニューが登場する。魚介類だけでなく五島牛のモツや、五島牛コロッケといった肉料理もある。また、コース料理(3500円、5000円、同)もあるので、新年会の会場にもぴったりだ。

まだ見ぬ食との出会いは離島にあり。未体験の方はまず、東京・日本橋で離島の入り口に立ってみてはどうだろう?

(日本の旅ライター 吉野りり花)

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