金メダル+難関進学 大阪・清風高、文武両道培う規律大阪・清風高の平岡宏一校長に聞く

毎朝の朝礼では、校庭に集まった全校生徒を前に平岡氏が約10分間、様々なエピソードを交えて話を聞かせる。ほかにも、高野山修業行事や法隆寺修業行事、高野山までの100キロメートルを約30時間かけて踏破する「高野山100km歩行」など盛りだくさん。100km歩行は忍耐力を養う場でもある。ただし、特定の宗派の教えを押しつけることはしないという。

大阪の私立進学校には今、強い逆風が吹いている。学区制の廃止など府のテコ入れ策で、府立の進学校が実績をぐんぐん伸ばしているのだ。平岡氏は「しんどいですよ」と心境を明かすが、同時に「仏教に基づいた情操教育は、府立校には絶対にできない清風の強み。そうした教育方針に共感して子どもを清風に入れる保護者も多い。自制心や忍耐力の養成にもつながる情操教育が、進学校としての実績にもつながる隠れた理由だとも思う」と強調する。

「海外留学2年間」の新コースも

大阪の私立進学校にとって、最近の府立高校の躍進は「逆風」だ

大学受験に備える、きめ細かいカリキュラムも整備している。清風高校には、清風中学からの内部進学組と高校からの入学組がいるが、東大や京大、国公立大医学部を目指す生徒には「理3 6か年コース」や「理3 6か年編入コース」、阪大、神戸大学など難関国公立大学を目指す生徒には「理2 6か年コース」や「理数コース」を用意している。

時代の変化にも敏感だ。18年度から新たに、中学入学者を対象に「国際6か年コース」を設けた。世界で活躍できる人材を育てるのが目的だ。特徴は、中学3年から高校1年にかけて約2年間の海外留学。海外留学を取り入れる学校は多いが、2年間にも及ぶのは極めて珍しい。スーパーコンピューター「京」の開発責任者として知られる井上愛一郎氏を招いてのIT教育にも力を入れるなど、新しいことに次々とチャレンジしている。

学園創立者の宕峯氏は、若いころ、今でいえば経営コンサルタントのような仕事もしていたという。実際、清風のホームページが掲げる「平岡宕峯先生の教え」は、経営の神様といわれた松下幸之助氏の話から始まる。清風が新しいことにどんどんチャレンジしているのは、設立者の企業家精神が受け継がれているからかもしれない。

(ライター 猪瀬聖)

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