MONO TRENDY

デジタル・フラッシュ

5Gがすべての基礎になる 2019年デジタル製品予測

2019/1/3

写真はイメージ=PIXTA

2019年、デジタル関連製品ではどのようなものがはやるだろうか。また、これからどんな技術が伸びてくるだろうか。ジャーナリストの津田大介氏、AV(音響・映像)・デジタル機器に強い西田宗千佳氏、モバイル業界に詳しい佐野正弘氏といったMONO TRENDYの連載陣に加え、辛口評価記事で人気の戸田覚氏に予測してもらった。うち2氏が挙げたのが5G。あらゆるサービスが高速通信を前提にするようになり、今後重要になるのは間違いない技術だ。

■津田氏:2019年はARがより身近に

2019年に注目している技術は「AR(拡張現実)」。スマートフォン(スマホ)などの画面にカメラで見た実際の映像とCGを組み合わせて表示する。「VR(仮想現実)」のような専用のデバイスは不要でスマホがあれば使えるため、利便性が増せばより身近になっていくだろう。これまでは一部の美術館や博物館などで先行しており、個人が利用している姿はあまり見かけなかったが、18年に登場したARアプリの「Google レンズ」[注1]は、思ったよりも実用的で使いやすかった。

[注1]カメラを向けたものが何だか調べてくれるアプリ。例えば花にカメラを向けるとその花の名前を教えてくれる。

Googleレンズを使っているところ

19年は、Google レンズに追随するARアプリもどんどん登場するのではないかと期待している。個人利用が身近になれば、20年の東京五輪に向けて街中で利用できるサービスなども拡大していくと思われる。Google レンズは、当初はグーグルのGoogle Pixel 3でしか使えなかったが、その後、他のAndroidスマホでも利用できるようになっているので、機会があれば試してみるといいだろう。

もう一つ、19年はオーダーメード市場がどのように拡大していくかもウオッチしていきたい。18年に注目を集めたゾゾスーツのように、メーカーが作る既製品の仕様にユーザーが合わせるのではなく、個人に最適化した製品を作るオーダーメードサービスが、テクノロジーの進歩により洗練され、大きな流れになりつつある。

オーダーメードできるのは、体のサイズを測る衣服だけではない。18年には、個人の聴覚パターンに合わせて、最も聞こえやすくなるようにサウンドを自動で調整してくれるヘッドホン「nuraphone」が登場した。19年以降も、個人の身体的特徴だけでなく、五感や意識などにマッチしたサービスや製品、体験が増えていくだろう。一つ例を挙げると「睡眠」。「睡眠負債」が17年の新語・流行語大賞でトップ10に入るなど、日本において睡眠は注目度の高いテーマだ。単なる睡眠時間だけでなく、個人に合わせた睡眠の質や快適さにフォーカスしたサービスは、まだまだ出てくる予感がする。

nuraphone
津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。NIKKEI STYLEに「津田大介のMONOサーチ」を連載中。

■佐野氏:重要な5G、政治の影響に懸念

2019年、注目されるのは次世代モバイル通信の「5G」の動向だ。日本では東京五輪が開催される20年に商用サービスを提供する予定だが、海外ではそれよりも前倒しで5Gのサービスを実施する国が増えている。そのため日本でも、19年のラグビーW杯に合わせる形で5Gの試験サービスが提供されるとみられている。

5Gへの取り組みが本格化してくる

5Gは単にスマホの通信速度を高速にするだけでなく、自動運転やスマートシティーなど、新しい社会基盤を構築する上で重要なインフラとして活用されることが想定されている。それだけに19年は5Gを巡る企業の取り組みが急加速し、面白い動きを見ることができるのではないだろうか。

だが5Gはそれだけ国家にとっても重要な存在となり得るだけに、最近の米中摩擦を巡る中国メーカーの動向が象徴しているように、政治による影響を大きく受ける可能性が高まっているのが気になる。政治の駆け引きによる影響が技術の進化に影を落とすことにならないか、この点が19年は非常に気がかりだというのが本音でもある。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。NIKKEI STYLEに「佐野正弘のモバイル最前線」を連載中。

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