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異業種から転職、倒産の危機が生んだカシミヤセーターUTO社長 宇土寿和氏(下)

2018/12/29

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UTO社長 宇土寿和氏
UTO社長 宇土寿和氏

日本で唯一というカシミヤセーター専門メーカー、UTO(ユーティーオー、東京・港)の宇土寿和社長は旅行業界からアパレル業界に転じた異色の経歴の持ち主。独立して高級ニット製品を手がけるが、在庫と資金繰りに苦しめられて窮地に追い込まれた。その経験を糧に立ち上げたのが、最高級素材にこだわったオーダーメードという独自路線だ。前回掲載「プロ直伝! カシミヤセーターの『失敗しない選び方』」に引き続き、宇土社長に挑戦の軌跡とカシミヤの魅力について聞いた。




――宇土社長は旅行業界の出身です。なぜファッション業界に転身したのですか。

「当初は旅行会社で、蘭(ラン)の視察ツアーなどを企画していました。23歳で独立して音楽関連ツアーとともにアパレル業界向けにロンドン、パリ、ミラノのブティックや展示会を巡るツアーを手掛けていました」

「顧客に随行して展示会で現地アパレルの関係者から話を聞いたり、一流ブランド品を扱う地元工場を視察したりしました。いつしかファッションビジネスの魅力のとりこになり1980年、30歳のときにアパレルメーカーに転職しました」

■起業するも4年であわや倒産

「営業や企画を経験して独立、92年に起業しました。社員は3人で、ハイセンスなブティックに高級ニット製品を供給しました。ところが、数多くのデザインをそろえようと、手を広げ過ぎたため在庫に悩まされました。委託販売だったため資金繰りも厳しく、業務提携先のニット工場が96年に倒産し、連鎖倒産の危機に陥りました」

「銀行を駆け回って倒産自体は避けられたものの、社員の再就職探しに奔走、東京・青山の事務所は閉鎖して自宅に移しました。経営塾に通うなどして独自のビジネスモデルの確立に取り組み、BtoB(企業間取引)だったものをBtoC(消費者向け取引)に切り替えることにしました。最高級の天然繊維であるカシミヤを使いオーダーメードで提供するのです。消費者との直接取引となるため、利益率も大きくなります」

宇土氏はカシミヤを使ったオーダーメードに活路を見いだした(岩手県北上市の自社工場)
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