寒い脱衣室 スポット暖房でヒートショック予防を
ますます寒さが厳しくなってくるこの時期に購入を検討したいのが、脱衣所やトイレにおけるスポット暖房器具。快適なのはもちろん、命を守る役割も果たしてくれるという。
◇ ◇ ◇
1月と2月は一年のうちで最も寒さが厳しくなる季節。気象庁の記録を見てもこの時期の平均気温は5~6度前後まで冷え込むことが多い。
寒い季節で気をつけたいのが、「ヒートショック」だ。東京都健康長寿医療センターによると、ヒートショックとは「温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動する等によって起こる健康被害」(2013年12月2日に同センターが発表したプレス発表資料から)。同センターの研究によると、ヒートショックに関連する急死は全国で推計約1万7000人(11年)。これは同じ年の交通事故による死亡者数4611人を大きく超える計算になるという。
家の中でヒートショックが発生しやすい場所は脱衣室だ。「寒い脱衣室で衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が10度程度下がります。すると私たちの体は寒冷刺激によって血圧が急激に上がります。この血圧の急上昇が、心筋梗塞、脳卒中を起こす原因の一つといわれています」(プレス発表資料から)
ヒートショックを防ぐにはどうしたらいいのか。プレス発表資料で同センターが最初にあげている対策が「脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具の設置や断熱改修」だ。
そこで今回は、脱衣室やトイレに設置しやすいスポット暖房を紹介する。おすすめは狭い空間でも安全に置けるコンパクトなもの。人の動きを検知した瞬間に暖房がオンになる人感センサーがついていれば、スムーズに暖まるほか、消し忘れも防げるので安心だ。
人感センサー搭載、空気浄化作用も/シャープ
シャープのセラミックファンヒーター「HX-HS1」は、設置面積19×19cmと脱衣所やトイレに設置しやすいコンパクトサイズ。縦長の吹き出し口で、ひざ下の広範囲に温風が届けられる。また人の動きを検知したら自動でオン、人の動きが検知されなくなり一定時間が経過したら自動でオフにする人感センサーを備える。
空気浄化や消臭などの効果があるとされるシャープ独自のイオン「プラズマクラスター」も搭載。プラズマクラスターのみの単独運転もできるため、寒い季節以外にも使用できる。
タテ・ヨコに置ける/パナソニック
パナソニックのセラミックファンヒーター「DS-FTX1201」は、縦に置いても横に置いても使えるため、使用シーンに合わせて使い分けができる。人の動きを検知すると暖房が入り、消し忘れも防いで節電にもつながる人感センサー「ひとセンサー」も搭載する。
カビ菌やアレル物質、ウイルスを抑制したり、ニオイを脱臭したりできるというパナソニック独自のイオン「ナノイー」機能も搭載する。
パワフルに温風を届ける/アイリスオーヤマ
アイリスオーヤマのセラミックファンヒーターの新モデル「KJCH-12TD3」は、奥行き13.5cmと薄型。従来モデルに比べ、温風到達距離が2.3倍とパワフルになったほか、風速1.8倍、風量1.2倍と大風量になっている。
人感センサーも搭載。ホワイト、ブルー、ピンク、そして木目調(KJCHM-12TP3)とカラーも豊富だ。
壁掛けで上から温風/山善
ヒーターを置くスペースがない脱衣室で役立つのが壁掛けタイプのヒーターだ。多くは設置工事が必要だが、山善の「脱衣所温風ヒーター DFX-RJ12」は自分で手軽に設置ができる(設置場所によっては電源工事が必要)。
ドライヤーモードも搭載しており、風呂上がりにハンズフリーで髪を乾かすことも可能。また送風機能も備えているため、暑くなりがちな夏場の脱衣室でも快適に使用できる。
(家電ライター 田中真紀子)
<訂正>1月7日5:40に公開した「寒い脱衣室 スポット暖房でヒートショック予防を」の記事中、パナソニック「DS-FTX1201」の「ナノイー」機能の説明で、「単独運転機能も持つので、暖房が不要な時期も活躍する」とあるのは誤りでした。本文は訂正済みです。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。