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吉田鋼太郎 『おっさんずラブ』は時代を変えたドラマ

日経エンタテインメント!

2019/1/16

特に印象に残っているのは、武蔵の妻・蝶子(大塚寧々)とのシーンだそう。

「30年一緒にいた蝶子さんに、男を好きになったから離婚してほしいと告げるんですから、当然驚くわけです。LGBTに対する蔑視とかではなく、奥さんとしては全く想像していなかったことなので。そのときに彼女は悲しむし、苦しむんだけど、武蔵が春田に振られたのを見て、応援する側に回るっていう、そのストーリーが僕はとっても好きでした。きっといろんな方に勇気を与えたのではないかなと思います。

(写真:藤本和史)

徳尾浩司さんの脚本は、泣かせどころなど、きっちり押さえるところは押さえている。叫んだり泣いたり転がったり、恋のさや当てみたいなのも面白いんですけど、そこで苦しむ蝶子さんがいたり、牧の元彼の武川(眞島秀和)さんが密かに闘志を燃やしていたり、そのへんのあんばいが絶妙でした」

評価はもう視聴率だけではない

放送後は、吉田が広く知られるきっかけになった連ドラ『MOZU』や、朝ドラ『花子とアン』(共に14年)のときよりも大きな反響が届き、驚いたという。

「夜中の放送だった単発のときから、ネットの反応がすごかったんです。自分が出演したドラマでも断トツだったから、びっくりして。連ドラではどうだろうと少し不安でしたが、それ以上のものを感じたので、ほっとしました。放送中は取材が増えて、記者の方々も大変目を輝かせていましたね(笑)。

この作品には、みんなが触れてこなかったアンタッチャブルな部分があったと思うんです。20年前だったら、差別のような扱いになっていたかもしれない。これを、あくまで恋愛ドラマとして作り、地上波で放送して、『こういうのを見たかった』と反応がきちんと返ってきた。『評価はもう視聴率だけではない』と言い切ってもいいぐらいの結果だし、時代を変えるドラマになったと思います」

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2019年1月号の記事を再構成]

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