(写真:中川容邦)

「朝ドラは共演者が先輩だらけなので、自分がセリフを間違えてしまうことで、同じシーンをまた繰り返してしまうという恐怖感が最初はありました。でも、それも全部受け止めてくださる先輩がいると分かってからは心に余裕が生まれて、今は何が起きても動揺しなくなった気がします。

台本のセリフ覚えも早くなりました。朝ドラでは1週間分ずつセリフを覚えるのですが、最初の頃は前の晩からリハーサルの1時間前まで10時間以上もかかっていたんです。でも最後のほうでは、それが数時間くらいで覚えられるようになって。たぶん役が体に入りきって、相手をイメージしながらセリフを覚えるようになったのが、大きかったのかなと思います。

あと、少しずつ演出家さんの目線で見られるようになってきた気がします。台本の中ではリアルな世界じゃない分、普通では起こらないことが起きやすく、映像にするとちょっと非現実的に見えてしまうことがあるんです。以前は、そういうシーンについて、『これ、どう思う?』と監督さんや共演者の方に聞かれて初めて気づいていたんですが、今は台本を渡されて読んだときにパッと直感的に分かるようになってきて。自ら率先して相談できるようになりました。朝ドラの撮影現場で、スタッフさんたちがいろんな案を出しながら作り上げていくのを見てきたので、自分の中のレパートリーも増えてきているんだと感じています」

いつか楽器を演奏する役を

この1年での成長を実感できている彼女は、これから一体どんな役を演じ、どのような女優を目指したいと考えているのだろうか。

「今後は、何かに葛藤しているような役を人間味たっぷりに演じてみたいです。あとは音楽が好きなので、楽器を演奏する役! 『楽器をやっています』といろんなところで言ってはいるんですが、なかなか機会がないようで(笑)。今はドラムをやっていて、ギターも近いうちに再開します!

最近よく聴いているのは、落ち着いたバラード系だと、サム・スミスさん。いつも聴きながら『アコギで弾き語りできたらいいな』と思っています。元気を出したいときには、女性シンガーソングライターのあいみょんさんや、Aimerさんのパワフルな歌声に励ましてもらったり。あとバンドだと、ウルフルズさんの曲を聴くと『頑張ろう!』って気持ちが湧いてきます。

こういう女優になりたいという理想像や目標は特にないんです。ただ、作品の中で一瞬しか出ない役でも構わないので、『この役を他の人がやるのは悔しい』と思えるような役を、今後も演じていくことができれば幸せだなと思います。『半分、青い。』を超えられるぐらい、強い愛着を持てる作品をこれからどんどん作っていきたいですね」

(ライター 高倉文紀)

[日経エンタテインメント! 2019年1月号の記事を再構成]

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