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画像はイメージ =PIXTA

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かかわると面倒くさい人はどこにでもいる。心理学者の榎本博明氏はその著書「かかわると面倒くさい人」(日経プレミアシリーズ)で、「何とかうまくかわす術を身につければ、心のエネルギーを吸い取られずにすむ」とアドバイスする。そのためにはまず「行動パターンやその背後で作動している心理メカニズムを知ることが必要だ」という。そこで、私たちの身の回りでよく見かける典型的な面倒くさい人10タイプを、同書から紹介する。

◇    ◇    ◇

このところ目立つのが、ほめられないとやる気をなくすタイプだ。

逆境にもかかわらず必死の頑張りを見せたときや素晴らしい成果を出したときにほめられる。それがふつうだ。やるべきことをきちんとこなしているだけでほめられるようなことはない。

ところが、このタイプは、成育過程で親や教師にほめて育てられたせいで、たいしたことをしなくてもほめてもらえるものと思っている。何かにつけてほめ言葉を期待する。

現実は厳しく、その期待はたいてい裏切られるわけだが、そうするとすねたような態度を示し、やる気をなくす。

要するに甘えが強いのだ。

ほめられたがりの心がつくられる典型的なパターンは2つある。

ひとつは、子どもの頃、親から十分に関心を向けてもらえず、共感や受容がなかったため、自尊感情が健全に育っておらず、自信をもつために他者による賞賛を過剰に求めるようになる、というパターンである。

もうひとつは、子どもの頃、親が甘やかしてチヤホヤしすぎたため、自分は特別といった意識が異常に発達し、他者に対して過剰な賞賛を求めるようになる、というパターンである。

「ほめられて伸びる」を自称する若者の危機

近頃目立つのは、この後者に相当する若者である。なかには、

「ほめられて伸びるタイプなんです」

などといったセリフを恥ずかしげもなく自ら口にする者さえいる。周囲の上司や先輩は、

「そんな甘ちゃん、いらねえよ」

と言いたい気持ちをグッと堪え、にこやかな笑顔を向ける。このタイプはうっかり厳しいことを言うとパワハラだと大騒ぎする怖れもあるため、

(勘弁してくれよ。こんなヤツ、いったいどうやって育てたらいいんだよ)

と、内心お手上げ状態になる。そして、「ほめ達(ほめる達人)」研修を受けたときのバカバカしさを思い出し、

(なんでこんなヤツのご機嫌を取らなきゃいけないんだよ、バカらしい、やってられねえよ)

とうんざりする。

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