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食の達人コラム

常夏ハワイで日本酒広める 新市場に挑戦する女性社長 世界で急増!日本酒LOVE(6)

2018/12/28

シンガポールで日本酒とのペアリングイベントを開催する菅波葉子さん(中)

ハワイやシンガポールなど海外の暖かい地域を中心に、日本酒を広めようとしている女性社長がいる。日本酒の海外販売戦略立案など輸出支援を手がけるRainbow Sake(レインボウ・サケ、広島県呉市)の代表取締役・菅波葉子さんは2013年、ハワイで日本酒ビジネスをスタートさせた。海外で日本酒を広めるにあたり、菅波さんは自分自身のビジネス観をはっきりさせた上で取り組んでいる。

最初の地にハワイを選んだ理由を、菅波さんは「会社を立ち上げる前に、フランスやドイツなどヨーロッパの日本酒の市場調査に行きました。とても面白そうなマーケットだけど、ビジネスとして売り上げにつなげるには、時間やコストが非常にかかるのではと思ったのです。10年、20年は軽くかかってしまうイメージでした」と振り返る。

起業する前からハワイで生活していたこともあり、現地の飲食店とのコネクションがあった。また、ハワイは日系アメリカ人も多く、日本酒をはじめ和食文化が米国の他州に比べて、より浸透していた。「ハワイであれば、すでに日本文化になじみのある日系アメリカ人を通じて、より早く日本酒文化を現地に伝授できるのでは」と判断した。

日本と歴史的にもつながりの深いハワイはマーケット規模としては小さいかもしれない。だが、その地で日本酒文化を発信していく意義の大きさを感じたのだという。

ハワイでは現地の若い女性にも日本酒は広がり始めている

最近は海外に進出している蔵元も増えている。だが、進出して10年経っても、現地ではその銘柄がまだ認知されていない、という例も多い。現地できめ細やかな販促営業やPR活動に継続的に取り組み、酒文化として根付かせることが大切だ。一方、日本の蔵元には海外での日本酒販売のノウハウを持つ人が少なく、菅波さんのような人材が欠かせない存在となっている。

ハワイでビジネスを始めた時点では、日本酒は現地のすし店や和風居酒屋などで和食とのペアリングを楽しむくらいで、客は店に置いてある日本酒を勧められるままに味わう程度だったという。

現在はハワイの地元客でも、自分で日本酒の銘柄をセレクトするようになってきた。酒の知識も豊富になり、客と店員が酒談議で盛りあがることも珍しくない。酒のボトルのラベルを備忘録としてスマホで撮影する客もおり、「大吟醸って何」と、店員に積極的に聞くことも普通の光景だ。

「和食以外のいわゆるノンジャパ(Non Japanese)系の飲食店でも、日本酒を提供する店が少しずつ出てきました」と、菅波さんはうれしそうに話す。

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