教育など非課税贈与に制限 税制改正、個人に厳しく海外資産のチェック、一段と強化

23歳以上の子や孫に教育資金を贈与をして死亡するケースでは、死亡前の3年間に贈与した財産のうち教育費に使わずに残っている分があると課税されるようになる
23歳以上の子や孫に教育資金を贈与をして死亡するケースでは、死亡前の3年間に贈与した財産のうち教育費に使わずに残っている分があると課税されるようになる

個人が保有する資産への課税がさらに強化される。2019年度税制改正大綱によると、高齢者らが資産を子や孫に贈与するときの非課税制度で条件が厳しくなり、課税範囲が広がる。相続した事業用土地の評価額を大幅に減らせる特例については駆け込み利用を封じる規定が盛り込まれた。19年10月の消費増税とその対策税制のほかにも家計にかかわる改正は多い。

消費税率10%への引き上げ後の景気悪化を防ぐために政府は住宅、自動車の購入を支える減税策を導入する。19年10月から20年末までに新たに契約し入居した住宅について、住宅ローン控除の期間を現行より3年長い13年間とする。消費増税後に新たに購入して登録した車については毎年払う自動車税を年1000~4500円引き下げる。

子、孫に所得制限

こうした消費増税対策に比べると目立たないが、税制改正大綱には富裕層に対する課税強化策が多く盛り込まれている。財産の生前贈与や相続に伴って負担する税金が今後、実質的に増えるケースが見込まれる(図A)。

代表例が贈与税の非課税制度をめぐる改定だ。

子や孫(29歳以下)に教育資金を一括して贈与する場合、1人当たり1500万円まで非課税となる。まとまった金額を一度に非課税で贈与できる利点があり、制度ができた13年度以降、約19万件、1.37兆円の贈与に活用されてきた。財産を圧縮することで将来子どもらにかかる相続税負担を軽減しようと利用する高齢層が多かった。

税制改正では贈与の期限を21年3月末へと2年延ばす一方、新たに所得制限を設ける。19年4月以降、贈与を受ける子や孫は所得が1千万円を超えると非課税の扱いを受けられない。教育資金の用途についても条件を絞る。23~29歳の子や孫が、学校以外で受ける趣味の習い事は19年7月以降、対象から外れる。

一括贈与の非課税制度はもともと高齢層に偏る資産を若年層に移転させる狙いから創設された制度で利用の自由度が高かった。「亡くなる直前に多額の資金を慌てて贈与しようとする例が珍しくなかった」(阿保秋声税理士)

この点を問題視した政府は是正策を盛り込んだ。19年4月以降に、23歳以上の子や孫に贈与をして死亡するケースを対象とする。死亡する前の3年間に贈与した財産のうち、教育費に使わずに残っている分があると、相続財産に加算され、課税されるようになる。

事業用地も厳密に

教育資金の非課税制度とは別に、結婚・出産・育児資金についても一括贈与の非課税制度がある。こちらも贈与を受ける子や孫に所得制限が設けられた。

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