年金・老後

定年楽園への扉

消費増税でもシニアは悠々自適 買い物は焦らず賢明に 経済コラムニスト 大江英樹

2019/1/10

次に(2)住宅など高額品です。住宅は高価ですから2%の違いは結構な金額になります。注文住宅は19年3月末までに契約しておけば、実際の引き渡しが同年10月以降になっても低い税率が適用されます。一方、建て売りは同年9月末までに引き渡しを終えれば税率は8%です。

■住宅はローン減税との兼ね合いで判断

あとはケースバイケースでしょう。ただし、住宅についてはこれも増税対策の一環として、住宅ローン減税の拡充が予定されています。物件価格や個人の所得状況によってはローン減税との兼ね合いで増税後に購入した方がお得な場合もあると思います。悩んでいる人は一度、専門家に相談して判断した方がいいでしょう。

また、増税前に住宅を購入する場合でも「ちょうど家を建てる予定だった」ということならいいでしょうが、税率が違ってくるからこの機会に買ってしまおうというのはやや本末転倒のような気がします。

そしてこれはその他の消費全般についてもいえることです。必要なものを必要なだけ購入するのであれば、増税前に購入してもいいでしょうが、増税だからその前にここぞとばかりに買いだめをするのは結局不要なものを買ってしまいかねません。

■余分な買い物をすると結局無駄に

現代においてはシニア世代で大家族で暮らしているケースは少ないでしょうし、必要なものはほとんど家にそろっているという人が多いのではないでしょうか。従って、余分な買い物をした結果、使い切れなくて放ったらかしになったり、古くなって捨ててしまったりして無駄になることも起こり得ます。

増税時は「税金が上がる=損をする」という連想からついつい余分な買い物をしてしまいがちですが、それで一体どれぐらい得をするのだろうということを冷静に分析して行動すべきです。

キャッシュレス決済でのポイント還元もそうです。シニア世代はクレジットカードや電子マネーならともかく、「QRコード」についてはあまりなじみがないでしょう。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが18年6月に出したリポートによれば、60歳以上でQRコード決済を利用したことがある人の割合は全体のわずか4.8%、そもそもQRコード決済自体を知らないという人も64.4%います。従って、シニア層の消費者としては、あまりこうした策にこだわって右往左往しない方がいいように思えます。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は1月24日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP社)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/

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著者 : 大江 英樹
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