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「ゲームが好きだからゲーム会社」でいいの? 理系学生のための企業研究(2)

東北大学特任教授、人事コンサルタント 増沢隆太

2016/12/12

前回は仕事の成り立ちを理解することがスタートになると書きました。そもそも仕事の仕組みを知らなければ、ご自分が果たすべき役割もわからないことになります。「会社選び」は自分が行きたい会社を選ぶだけではありません。実際に入社し、そこで活躍できそうな可能性がなければ意味がありません。そもそもどんな仕事があるのか、具体例を使って見てみましょう。

ゲーム会社とは何か

仕事を考えるため、実際の企業のビジネスモデルを見てみましょう。ゲーム会社はどうでしょうか。ゲーム会社の多くはゲームのプログラムを作り、それをパッケージやDLデータにして販売するというのが商売です。では、その原料はどうでしょう。ゲームはデジタルデータですから、原料がある訳ではなく無形サービスです。アイデアやストーリーを考える人がいて、それをプログラム化したりグラフィック化したり、脚色しておもしろさを増したり、効果音・映像を加え、さらに製品の広告を作り、世に出すといった流れです。

モノを形にするのではなく、アイデアを現実化したり、今ある技術を改善してさらにおもしろくしたり、もちろん画期的な新技術を生み出すこともあるかも知れません。技術は素晴らしくても市場に受け入れられずにすたれたゲームもあるでしょう。こうした役割がゲーム会社の仕事の成り立ちです。

好きなこと、得意なことを仕事にできたらハッピーだろうと思いますが、ではゲームが好きな人が、プロゲーマーに就くのはどうでしょう。ゲーム業界・ゲーム会社は理系学生にとって、現実的職業選択先の一つです。ゲーム産業は今の日本では大きく発展成長が期待される業界の一つでしょうし、ヒットすれば恐らく収入も相当増えるだろうと思われます。

プロゲーマーに求められる「成果」

プロゲーマーの仕事とは、少なくとも好きなゲームを好きなだけ遊ぶという仕事ではないはずです。会社が開発しているゲームのバグを探し出したり、操作性をチェックするため、しかも発売時期とゲーム制作スケジュールという時間制限内で最良の結果に持っていくため、きわめて限られた時間で何度もプレイをしたりすることが必要になる、なかなか過酷な仕事のようです。

続いてこの仕事の成果が、どのように会社に貢献できるのか見てみましょう。発売したゲームの操作性が悪ければ、クレームが出たり、最悪発売中止になるかも知れません。またゲーム会社としての評価が落ちて、他の製品の売上に響くかも知れません。攻略本や関連製品、アニメ化などの発展ビジネスとの連携が期待されるものであれば、そのための機能やキャラクター設定が必要かも知れません。要するに「『売れるゲーム』を作り出すこと」が求められるのです。

プロゲーマーという仕事で求められる成果は、「ゲームを楽しむ」ことではなく、ゲームを売ることがゲーム会社の価値観だと考えられるでしょう。こうした判断と実際の会社の事業をすり合わせ、理解を深めていくのが就活の会社研究です。

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