インターンから自己分析、選考試験対策、立ち直り方法まで
就活生座談会2018(7)
内定者座談会の後編です。前回は志望業界の絞り込み方や入社予定企業の決め方、内定辞退やオワハラなどについて話してらいました。今回はインターンや選考試験対策などについて話を聞きました。
Aさん(男性、私立大学文系、入社予定=政府系金融、その他内定先=総合商社、コンサル3社、IT、外資系情報)
Bさん(男性、私立大学文系、入社予定=総合商社、その他内定先=総合商社2社、電機、広告、、投資会社)
Cさん(男性、私立大学文系、入社予定=物流、その他内定先=物流)
Dさん(女性、私立大学文系、入社予定=テレビ局)
インターンは選考で有利になるのか
――インターンは何社くらい行きましたか? また本選考での優遇策などはありましたか?
Cさん 2社行きました。1社は夏に1度インターンがあり、冬に夏の参加者の一部が呼ばれたインターンがありました。インターン参加者にはリクルーターが付き、選考も1次のグループディスカッションが免除になって、人事面談を通過すれば内定という流れでした。
Dさん テレビ局3社の1dayに行きましたが、応募したのは20ぐらいになると思います。テレビのインターンは応募数が2万~3万になるらしいのですが、書類選考だけで50人ぐらいまでに絞るので基本的に落ちるのが当たり前。インターンの内容は番組制作の体験や社内見学、社員との懇親会などです。優遇策はないと思います。内定先もインターンは行っていませんし、他の最終まで進んだ局もインターンは行っていません。テレビ局の総合職はインターンは関係ないでしょう。ただ、アナウンサーは夏のインターンで決まるようで、友人は6月のインターンで採用されました。
Aさん 僕は5社に行き、2社から内定をもらっています。1社は早期選考を受けており、その会社はインターンに参加するかリクルーターが付いた早期選考ルートでないと、内定は厳しいという話を聞きました。もう1社はインターン中にメンターが付いて、その方が推薦してくれたみたいでしたが選考フローが変わったわけではありませんでした。
Bさん 1dayなど短期のものが8社、1週間から2週間の長期5社に参加しました。内定をいただいた電機メーカーはインターンに行きましたが、他の5社は行っていません。インターンは広く業界を見たいという目的で、金融やマスコミなど広く参加しました。私は参加しませんでしたが商社でもインターン優遇はあったようで、6月1日に内定が出た人はインターン経由だったようです。
――インターンは選考に有利になったり関係なかったりですが、行った方が良かったですか?
Aさん 良い友達ができたという点で良かったです。5社のインターンに行きましたが、その時に出会ったメンバーとは仲がいいですし、就活中に一緒に戦っているという仲間がいるのは心強かったです。また業界に関して知ることができたのは勉強になりました。
――1dayでも行った方がいいですか。
Aさん 僕は行っていませんが、友人は役に立ったという人も、ただの会社説明会だったという人もいます。
Bさん 1dayは行かなくてもいいなと思います。ただ、インターンに行くことだけでなく、選考に慣れるという面があります。インターンでは書類選考だけの場合が多いのですが、筆記試験やグループディスカッション、面接のある企業もあります。選考は数をこなして慣れるという面があるので、参加するだけではなく、選考の練習という意味でも役立つと思います。
――インターンに落ちると本選考にも影響があるからインターンに行かないという学生さんもいますが。
Bさん 内定をもらった商社はすべてインターンの選考で落ちているので、関係はないと思います。
大学名で劣等感
――次は就活で苦労したことをお聞きします、先ほどCさんは就活の途中で劣等感を感じたという話がありましたが、どんな場面で感じて、それをどう克服しましたか?
Cさん 政府系機関の説明会の後にあったグループディスカッションでのことです。途上国支援や国作りなど自分のやりたいことができると思って志望度が高かったのですが、周囲の人たちはそこでの仕事についての専門知識などを持っていて、彼らの話に全くついていけませんでした。次第に大学名で劣等感を感じ、マレーシアに10年住んでいたために日本語にも自信がなくなり、居場所がなくなってしまいました。
――そこから立ち直ったきっかけは?
Cさん ある総合商社の子会社の面接でした。そこは1次から最終まですべて集団面接で、最終面接で周りは東大、京大といった学生ばかりでしたが、その中に自分が入っていて、「学校名は関係ないじゃん!」と思ったのがきっかけでした。結局は落ちましたが、東大・京大の学生と同じ場所に自分が行けたことは自信になりました。そこで一気に吹っ切れて、その後は調子が良くなりました。やはり、自分に自信を持てると変わるなと、思いました。一部の業界では大学名は関係あると思いますが、実際にはそこまで大学名は関係ないと。自分の意見をはっきりと伝えることができれば、超一流大学でなくてもなんとかなるものです。
武器がないから自己分析
――他に選考などで大変だったことはありますか?
Bさん やはり自己分析が大変でした。自己分析の本に従って過去を振り返って進めるのですが、自分の弱みなどを見つけるのは精神的に良くありません。また、OB訪問や面接のときに気付いたことを書き込むなど時間がかかりました。意外に役立ったのはWEB上の診断です。自分が言いたかったことがうまく言語化されていました。
自分がなぜ自己分析を徹底的にやろうと思ったかというと、自分は体育会系、帰国子女、留学経験という、商社のイメージと合致するものが何もありませんでした。何を自分のアピールポイントにするかを見つけなければなった。インターンなど就活のための小手先の経験はあったのですが、本来の自分を伝え、理解してもらうためにも自己分析が必要だと思いました。
――最終的にBさんは何を売りにしたのですか?
Bさん なんでも頑張る!です(一同笑)。1番は文武両道をいかに広く深くやって来たのか、なんで頑張ることができたのか、どうやって続けることができたのか、いろいろな経験を話しました。小、中の9年間やっていた野球の経験をバンド活動にどう生かしたのかなど、いろいろな行動をつなげて話しました。他にも自分の根底にある価値観やコンプレックスがあるからこういう行動を取るなど、自分について何でも話せるようにしました。そのおかげで、面接担当者からは「よく考えているね」とか「いろいろ頑張っているね」と評価されました。自己分析は面倒で、時間がかかって嫌なプロセスでしたが、商社に入る学生の要件に当てはまらない自分には必要なプロセスでした。
――Aさんはいかがですか?
Aさん 苦労したのは3つほどあります。1ちは自分の良さを伝えることです。インターン選考のときにけっこう落ちていて、いろいろな人に相談したら「採用しようという最後の決め手がない」と言われました。僕自身もそう思っていて、帰国子女でもなければ留学経験もありませんし、大学名もそれほどでない。学生時代にやってきたこともサークルなど普通のことです。僕を欲しいと思ってもらえるにはどうすればいいのか悩みましたが、最終的には「無理に欲しいと思わせなくてもいいんじゃないかな」「ありのままを出せばいいんじゃないかな」と気付きました。また、面接の短時間では良さが伝わりにくければ、時間があるインターンならで自分の良さを伝えようと考えました。だからインターンは気合を入れて取り組みました。
2つ目は筆記試験です。コンサルの筆記試験、GMATが難しかったのでかなり勉強しました。3つ目がコンサルと投資銀行のケーススタディやフェルミ推定です。2年の冬ぐらいからケーススタディの練習をしている東大の学生もいて全然歯が立ちませんでした。ケーススタディに慣れた頃には選考が終わっていました(笑)。
――そうは言っても、コンサル3社から内定をもらっていますよね。
Aさん そうですね。やっているうちに分かってきたのですが、ケースの正確さも大事なんですが、コミュニケーション能力も必要だと。分からない問題があれば質問し、有力な情報を引き出すなど、コンサルとのやり取りも重要なのだと気付きました。
最終で落ちて1週間、就活から離れた
――Dさんはどうですか?
Dさん 私は自己分析も筆記試験対策もあまりやっていなくて、海外に長く住んでいたのでエントリーシート(ES)の文章を書くのも苦手でした。気をつけたことは他の人が経験していないと思えることを書くことです。その結果、ESで落ちることはありませんでした。ただ、テレビの場合、選考の時に誰かにインタビューして発表してくださいとか、その場でテーマを与えられて番組を考えてくださいとか、あまり準備のしようがない選考が多く、就活生らしい対策はしませんでした。テレビ局は選考が長く7次選考なんて当たり前なので、一番行きたかった局の最終で落ちたときは精神的に落ち込み、「就活どうしようかな」と思ってしまいました。
――どうやって立ち直りましたか?
Dさん たまたま、違う局で私と同じように最終で落ちた友達がいたので、辛さを分かち合い、一緒に1週間ぐらい就活から離れて遊んでいました。落ちたのが2月28日で、翌日が就活解禁日。電車の中はリクルートスーツを来た就活生がいっぱいいましたので、それは見ないようにして遊びに行き、なんとか立ち直りました。
――ありがとうございました。強力な武器がなくてもやり方次第で内定が獲得できることが分かりました。これからインターンに行こうとしている3年生にとって参考になる話をいただき、ありがとうございました。
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