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住宅メーカー 多角化が進み、もう「家」だけじゃない?

学生のための業界ガイド2017(10)

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NIKKEI STYLE

学生の皆さん、こんにちは。日経カレッジカフェが連載する業界研究も10回目となりました。今回は「住宅業界」を取り上げましょう。ここは多くのプレーヤーがひしめき合う業界です。多角化や国際化が今後の成長のカギを握りそうです。

人生最大の買い物、大手でもシェアは数%

学生のうちは、まだピンとこないかもしれませんが、住宅は多くの消費者にとって一生に一度か二度の大きな買い物です。そんな住宅業界ですが、皆さんはどんな企業を思い浮かべますか? 売上高が3兆円を超す大手企業から、地元密着の仕事をこなす中小工務店まで、多くの企業が存在します。プレーヤーが多いため、大手企業でも業界シェアは数%という水準にとどまります。日本では近年、大手による寡占化が進む業界が目に付くなかで、珍しい状況といえるでしょう。

この原稿では、戸建て住宅の大手の状況を中心に説明していきます。まずは、以下のランキングをご覧ください。

大手はプレハブが中心

大和ハウス工業積水ハウスは主力商品がともにプレハブ住宅です。建築部材をあらかじめ工場で生産し、現場で組み立てる工法のことです。日本では1959年に大和ハウスの創業者、石橋信夫氏が「ミゼットハウス」というプレハブの原型となる商品を売り出したのが最初だといわれています。その後、プレハブは工業化の手法を取り入れることで、住宅産業の近代化を進める原動力になりました。

売上高が最も大きい大和ハウスは、住宅以外にも店舗建設や物流施設など多角化に力を入れています。皆さんになじみのある「ユニクロ」などの店舗も、大和ハウスが多く手掛けているのです。大和ハウスの樋口武男会長は「あす不可欠の」をキーワードに業容を拡大させています。このフレーズは、安全・安心、スピード・ストック、福祉、環境、健康、通信、農業の頭文字を並べたものです。同社の2015年度の連結売上高は3兆円を超えましたが、これを「10兆円に引き上げる」(樋口会長)ことを目指しています。

高級戸建てで知られる積水ハウスは、化学メーカーである積水化学工業の住宅事業が分離して誕生した経緯があります。その後、積水化学工業も「セキスイハイム」ブランドの住宅事業を開始。両社はともに「積水」という名称を使っていますが、別の会社ですので混同しないようにしましょう。

これに対して、飯田グループホールディングスはパワービルダーの最大手です。同社は2013年に一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームの6社が経営統合し、現在のグループを形成しました。パワービルダーとは、主に都市部で低価格の住宅を分譲する企業群を意味する和製英語です。「勢いのある住宅メーカー」といった意味合いで使われることが多いようです。

在来工法・2×4など木質系も

住友林業は、木造の在来工法の大手として知られてます。化学メーカーの旭化成子会社である旭化成ホームズは、「へーベルハウス」という名前のプレハブを提供。「へーベル」と呼ぶコンクリートを床・壁・天井に採用しているのが特徴です。また、三井不動産系の三井ホームは2×4(ツーバイフォー)という工法の大手です。2×4とは、枠材と面材とが一体となった「面」で支える木質系の住宅をさしています。このように企業ごとに工法に特徴があるほか、全国津々浦々まで事業展開している大和ハウスや積水ハウスに対して、旭化成ホームズや三井ホームは都市部が中心という違いもあります。

大手は年収800万円!?

続いて、気になる社員の待遇を説明しましょう。各社が公表している2015年度の有価証券報告書をみると、平均年収が分かります。大和ハウスで863万円(平均38.5歳)、積水ハウスで795万円(41.2歳)などとなっています。国税庁の調査では、2015年の民間企業の平均給与は420万円(このうち正規労働者が485万円、非正規労働者が171万円)でした。住宅大手は、民間平均の2倍ほどの水準ということになりますね。

上場企業の有価証券報告書は、各社のホームページのIR情報のコーナーで紹介されています。ボリュームがあり、最初は面食らうかもしれませんが、会社の経営状況がつぶさに分かる貴重な資料です。大和ハウスなど住宅メーカーには、労働組合がない企業が多いのが特徴です。その分、経営判断が速い企業が多い、という指摘も聞かれます。

相次ぐM&A

業界内の競争は激しくなっています。国土交通省によると、2016年の新設住宅着工戸数は前年比6.4%増の96万7237戸でした。消費増税前の駆け込み需要があった13年以来の高い水準となりました。相続税の課税強化や低金利を背景に、賃貸マンションやアパートなどの貸家が伸びを牽引しました。とはいえ、日本はこれから少子・高齢化が進み、消費増税も避けられないでしょう。住宅着工は長い目でみると減少傾向をたどる公算が大きくなっています。

何といっても特徴ある商品の開発が欠かせません。環境配慮が大きなテーマとなっており、ゼロエネルギー住宅など新商品が相次ぎ登場しています。新築市場だけでなく、リフォームや中古住宅流通に力を入れる企業も増えています。

将来を見据え、M&A(合併・買収)も盛んになってきました。大和ハウスがいちはやくゼネコンのフジタやマンション分譲のコスモスイニシアなどを傘下におさたことは有名です。さらに2016年1月、積水ハウスがゼネコンの鴻池組の親会社に出資し、同年5月には旭化成ホームズがゼネコンの森組の筆頭株主になりました。各社とも施工体制の強化や業容拡大を進める狙いです。

2017年1月にはトヨタ自動車系のトヨタホームが、同業のミサワホームを子会社にしました。こちらは、経営状態が悪化したミサワに対して2004年に産業再生機構の支援が決まり、その後、トヨタなどがスポンサーとなり支援に乗り出した経緯があります。一方でパナソニックは17年8月、パナホームを完全子会社にする計画です。グループの相乗効果を高めようとしています。

多角化・国際化が勝ち残りのカギ

多角化に積極的な大和ハウスは、すでに売上高のほぼ半分が非住宅事業で占められています。国際化にも取り組み、アジア地域でホテル機能を持つ短期賃貸施設「サービスアパートメント」を展開したり、高機能物流のインフラを整備したりしています。積水ハウスは17年2月、米国の住宅会社ウッドサイドホームズカンパニーを買収すると発表しました。米国で戸建て住宅の販売事業を始めます。各社とも、経済成長や規制緩和を背景に市場が伸びるとみて、海外投資に踏み切っています。今後は多角化や国際化がますます進みそうです。どれだけ迅速に動けるかが、勝ち残りのカギとなるでしょう。

(村山浩一)

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