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酒類・飲料メーカー(上) 大型M&A、再編が相次ぐ

学生のための業界ガイド2017(6)

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海外に活路求め、国内は再編の激しい波

「日経カレッジカフェ」では皆さんの就職活動の参考になるように、業界研究を連載しています。今回は食品メーカーの中でも、皆さんの人気が高い酒類や飲料のメーカーを紹介します。この分野では国内にたくさんの企業がありますが、少子化による国内市場の縮小の影響で、再編が進んでいます。収益確保のため、大手酒類メーカーなどでは海外企業のM&A(合併・買収)に乗り出すところもあります。毎年、星の数ほどの新製品が出ますので、マーケティング力が決め手になるのもこの業界の特徴です。

前年割れ続くビール系飲料、ウイスキーは復活

酒類メーカーで新卒採用が多いのはビール・洋酒メーカーです。ただ、最も販売量が多いビールの国内市場は伸び悩み気味。2015年のビール系飲料市場(発泡酒と第三のビールを含む)の出荷量は前年比0.5%減の4億2492万ケース(1ケースは大瓶20本換算)で、11年連続の前年割れでした。缶チューハイやワインなど嗜好の多様化や若者を中心としたビール離れなどが影響しています。その中でも近年、原料や製法にこだわったプレミアムビールや生産量の少ないクラフトビールなどは本格的な味わいを求める消費者の支持を集めています。企業別のシェアでは、アサヒビール(38.2%)が6年連続の首位を守り、2位がキリンビール(33.4%)。次いで、サントリービール(15.7%)、サッポロビール(11.8%)の順でした。

一方、ウイスキーは長い間、需要が低迷していましたが、ここ数年のハイボール人気やNHKの朝ドラ「マッサン」の影響などで市場が活性化し、15年度の出荷量は14万2155キロリットルで前年度より17%も伸びました。ワインも15年度は前年度比2.6%増と市場を拡大しています。ちなみにウイスキーでの国内シェアトップはサントリースピリッツで、2位はニッカウヰスキー。両社で国内市場の85%を占めています。ワインのシェアは1位がメルシャン、2位サントリーワインインターナショナル、3位アサヒビールの順です。

国内外問わず大型M&Aが相次ぐ

酒類・飲料メーカーではかつてはあまり見られなかった大型のM&Aが2000年以降、活発に行われました。主だったものを表に挙げました。最近では、コカ・コーラグループとキリンホールディングス(HD)が清涼飲料事業で提携協議を進めていることが明らかになっています。大型M&Aが増えたことにはいくつか理由があります。ひとつは国内市場の企業数の多さです。ビール、ウイスキーは寡占化していますが、清涼飲料市場は国内では中小も含め100以上の企業がひしめき、首位のコカ・コーラグループですらシェアは3割弱です。一方で、商品を売ってもらっている小売業界では、16年9月にコンビニ大手のファミリーマートと流通大手のユニーグループHDが経営統合し、イオングループ、セブン&アイHDとのビッグ3体制が整いつつあります。小売業との販売交渉や共同製品開発に臨むには、企業規模の拡大が必要でした。

もうひとつの理由は少子化に伴う国内市場の縮小です。今後の消費量の拡大が見込めない中、各社は採算性向上のため小売店などへの配送や原料・資材調達の効率化を進める必要がありました。M&Aによる規模拡大はその解決策のひとつです。また、サントリーの米ビーム社買収のように、これから拡大が期待できる海外市場で利益を上げるために、海外メーカーを傘下に収めようとする動きも加速しています。もっとも、海外では今年10月に世界ビール業界トップのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が同2位のSABミラー(英国)を買収するなど、大型再編が続いています。国内企業も世界規模での業界再編とは無縁ではいられないでしょう。

ビーム買収で世界に乗り出すサントリー

主な企業グループをみていきましょう。酒類トップはサントリーHD(2015年度連結売上高2兆6867億円)です。ビーム社買収による増収効果もあり、14年にキリンHDを抜いて首位に躍り出ました。祖業はワイン事業ですが、朝ドラ「マッサン」の中でも触れられていたように、日本で初めて本格ウイスキーの製造に成功し、洋酒メーカー国内トップとして君臨してきました。ウイスキーなどスピリッツメーカーとしては世界10位前後に位置づけられていましたが、バーボンの「ジムビーム」で知られるビーム社(当時世界4位)の買収で、合併企業のビームサントリーは世界3位のスピリッツメーカーになりました。

ビール事業への本格参入は1963年と他の大手3社より後発です。それでも「ザ・プレミアム・モルツ」の大ヒットにより2008年にビール系飲料シェアでサッポロHDを抜いて3位となりました。いまはHD傘下のサントリービールが事業を運営しています。「伊右衛門」「ボス」などの飲料を中心とした食品事業も売り上げの柱で、連結売上高の51%を占めるほど。サントリーは長年、株式を公開しない大手有力企業といわれましたが、飲料事業を運営するサントリー食品インターナショナルは、2013年に東証に上場しました。

キリンは特色ある製品作りを強化

売上高第2位のキリンHD(同2兆1969億円)は傘下に主事業のキリンビール、「生茶」「午後の紅茶」で知られる飲料のキリンビバレッジ、ワインのメルシャン、医薬・バイオ事業の協和発酵キリンなどの企業群があります。三菱グループの中核企業のひとつです。ビールを発売したのが1888年なので、まさに日本のビール産業の草分けといえます。戦後、主力の「ラガー」が長い間、圧倒的強さを続け、1990年発売の「一番搾り」が加わって同社はシェアトップの座を守ってきましたが、2001年にビール系飲料トップをアサヒビールに明け渡しました。最近は、少量生産のクラフトビールや「47都道府県の一番搾り」など特色のある商品作りに力を入れています。

「ドライ」でビールシェア5割固めるアサヒ

第3位はアサヒグループHD(同1兆8574億円)。ビール事業の開始は前身の大阪麦酒が設立された1889年ですからキリンと同時期です。1906年に日本麦酒(「恵比寿ビール」を製造)、札幌麦酒(サッポロビールの前身)と合併し大日本麦酒となりましたが、戦後の49年に現在につながる朝日麦酒と日本麦酒(現サッポロHD)に分割させられました。「アサヒ」ブランドは戦前から西日本で高い知名度を誇っており、今でも西日本でのシェアが高いです。ただ、これが逆に最大の需要地である首都圏の弱さにつながり、1960年代から80年代半ばまではシェアが低迷、ビールでは4位に近い3位になったこともありました。

一気に挽回したのが87年に発売した「アサヒ スーパードライ」の大ヒットです。98年にビール市場でシェアトップに、2001年には発泡酒なども含めたビール系飲料で首位を奪取しました。現在も「スーパードライ」を中核とした同社のビールは国内シェアの約5割を占めます。さらに01年にニッカウヰスキーを完全子会社化、02年には焼酎などを製造販売していた協和発酵と旭化成の酒類事業を譲渡され、総合酒類メーカーの道を歩き始めました。沖縄県で圧倒的なシェアをもつオリオンビールにも10%出資しています。今年10月に欧州のビール4社を約3000億円で買収、さらに12月にはアンハイザー・ブッシュ・インベブから8883億円で東欧5カ国のビール事業の買収を発表するなど、海外事業にも積極的です。

ビールの「黒ラベル」「ヱビス」で知られるサッポロHDが第4位です(同5337億円)。ルーツは大手ビールメーカーでは最も古く、1876年に政府の開拓使が札幌に設立した開拓使麦酒醸造所。戦前はアサヒと同じ会社の時期もありました。HDのもとに事業会社のサッポロビール、2013年にポッカコーポレーションとサッポロ飲料が経営統合して誕生した飲料・食品メーカーのポッカサッポロフード&ビバレッジ、「恵比寿ガーデンプレイス」などを運営するサッポロ不動産開発、外食事業のサッポロライオンなどがあります。他の大手酒類と比べ、ビールの比率が高いことも特徴です。ベトナムでは大手で唯一、自社工場でビールを生産しています。

ビール「減税」で各社は経営資源を集中へ

ビール系以外の酒類メーカーは社数は多いのですが企業規模がおおむね小さく、清酒や焼酎、みりんなどを扱う宝ホールディングス(同2253億円)以外では、焼酎専業トップの霧島酒造で年商650億円、日本酒トップの白鶴酒造で同350億円です。

酒類メーカーにとって現在、もっとも気がかりなのが酒税法改正の動きです。例えばビールには350ミリリットル缶で77円の酒税がかかります。小売価格を221円とすると消費税と合わせ価格の42%が税金です。酒税引き下げはビール業界の悲願でしたが、ここにきて発泡酒や「第三のビール」の酒税を上げる一方、ビールは減税するという動きが出てきました。そうなると各社は経営資源をビールに集中させることになりそうです。

(若林宏)

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