検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

面接で伝えること 「社会貢献」より「『会社』貢献」

リケ就のコミュ力講座(4)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

採用選考のクライマックス、面接について具体的場面を考えてみましょう。初回に書きましたが、採用を決めるのは上手いプレゼンが出来たかどうかではなく、その企業組織の発展継続に寄与する人材だと判断されたかどうかです。その目的意識を常に持って臨んで下さい。

社会貢献より「会社」貢献

志望動機で「社会貢献」を挙げる学生はきわめてたくさんいます。しかし企業組織は社会貢献のために存在しているのでしょうか? 企業が存続発展した結果、納税や市場流通、雇用といった企業活動すべててが社会貢献であるのは当たり前です。逆に社会貢献していない企業など存在するでしょうか。本コラムが繰り返し批判してきた「正解志向」の典型的な例が志望動機に「社会貢献」を挙げる行為だと思います。社会貢献が悪いのでも、それを志向することが悪いのでもありません。「社会貢献と答えておけば正しいだろう」と、思考停止になることが最大の欠点なのです。面接・選考に「正解」などありません。

組織が存続発展出来なければ、社会貢献など不可能です。仮に上場企業が存続発展をないがしろにしたら、株主から訴訟を起こされかねません。少なくとも新入社員として、組織に入っていく皆さんは、まず目の前の「会社」貢献を目指して下さい。それが新卒学生の皆さんに期待する企業の総意であり、組織の中で10年、20年とキャリアを積むことができれば、おそらくその過程でたくさんの社会貢献は果たせるはずです。

面接は学生一人に対し、企業側が一人または複数で面接する個人面接と、複数学生で行うグループ面接があります。形態が違う以上、そこで果たすべきコミュニケーションも違ってきます。特にグループ面接は一問一答式以外に、学生同士でディスカッションをしたり、課題を行ったりする場合もあり、決まった形がありません。ちなみに先輩やネット情報などから、去年の形式が不確かな噂ではなく本当に正確にわかるようなら知っておいて損はありませんが、コミュニケーションの原則に沿って行動できれば、形式を全く知らなかったとしても十分対応は可能です。

学生の皆さんの多くが誤解しています。面接がどのような形式であっても、「何と答えるか」で採否を決めるものではありません。(「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」p.133「Why&How」)その答が事実かどうかではなく、企業に「採用したい」と思われることが目的です。何となく通りの良い模範解答を述べたところで、それが使い古され、面接官も飽き飽きしているありふれたものでは、魅力を感じさせることはできないでしょう。「世界15ヵ国を放浪旅行した」「被災地ボランティアを3年続けた」「サークル副部長としてみんなをリードした」というような、面接する側(=面接官)が聞き飽きている使い古された回答など、ほとんど意味はありません。

「正解のない質問」にどう答えるか?

文系学部生中心に一時期良く聞かれた「あなたをモノ(動物・道具・機械・食べ物......)に例えると何ですか?」といった抽象的な質問がありますが、当然ながらこんな質問に正解などある訳がありません。これに対して「私は納豆のような人間です」という回答が大流行し、あちこちの面接で納豆と答える人が続出したと人事の集まりで聞いたことがあります。抽象的な質問は、正に人柄やセンスを見るためのもので、絶対に正解などありません。それを正解思考で臨めば自爆するのは明らかです。

「あなたの長所は何ですか?」という質問も、当然のことながら正解などありません。ただこれに対し、「私の長所はコミュニケーション能力です」と、いきなり自身のハードルを上げて自ら首を絞めるような理系学生をよく見かけます。「コミュニケーション能力が長所」と自分から言う学生とは、自分から「私はイケメン/美人です」と自慢しているのと全く同じです。仮にその通りだとしても自分から自慢されて相手はどう思いますか。アイドルや俳優ですら「私は美人/顔に自信があります」とアピールする人はまずいません。「コミュニケーションに自信あり」という自己申告は、これと同じばかばかしい自慢で、プロの会社員相手に挑戦状を叩きつけるようなものです。わざわざハードルを上げて、不利な環境を作るのも「正解思考」ゆえの失敗です。

質問では「長所は何か?」と聞かれているのですから、何か答えなければなりません。企業で活躍できる=企業に貢献できる、またはそれに間接的に結び付くことがここでいう長所であり、それ以外の得意なことを聞いているのではありません。では「バイオリンが得意です」という答えはどうでしょう。企業への貢献を含んでいるでしょうか?

「良さそうな人」という印象を与えられるか

バイオリンが直接組織に貢献することはないかも知れません。しかし幼稚園のころから18年やっているとしたらどうでしょう。バイオリンだろうがピアノだろうが野球、サッカー、囲碁将棋、どんな趣味であっても、長年続けているとしたら、また音楽やスポーツ、趣味に深い造詣があるとしたら、それは根気強さだったり文化的感性の高さだったり、理系の専門性を持つ学生にとって、さらにプラスアルファとなる、人としての奥行のようなポジティブなものにならないでしょうか。抽象的な質問に対しては、直接ビジネスに貢献しなかったとしても、総合的に「良さそうな人」という印象を与えることができれば十分そのコミュニケーションの目的は果たせることでしょう。

このように、常にコミュニケーションの目的意識を忘れずに対応すれば、抽象的な質問にも、やや意地悪な質問にも、的を外さない返答が可能です。今回のポイントは多くの学生が誤解していることなので、しっかり理解して実践すればぐっと差がつけられるのではないでしょうか。

増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
 理系専用就活ガイドブック「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」(丸善出版)や、「戦略思考で鍛える「コミュ力(りょく)」」(祥伝社新書) など、著書多数。理系中心に東北大生のキャリア支援を担当。東工大では約10年キャリアとコミュニケーションの講義を担当した他、現在は東京理科大、日大生物資源科学部、秋田美大はじめ全国の大学などで講義やセミナーを行っている。コミュニケーション専門家として、テレビや新聞等でコメンテーターを務める。ロンドン大学大学院現代史学修士課程留学時代は、戦争と戦略の研究を行った。Webサイト「理系のための戦略的就活術」

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_