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なぜ就活生は黒いひっつめ髪にするの?

ホンネの就活ツッコミ論(78)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「企業の視点からスーツ・髪型を考える」です。前々回、前回とリクルートスーツの歴史についてまとめました。さて、そろそろ違う話を、と考えていたところ、25日(火曜)の新聞にP&GのPANTENE(パンテーン)が髪型についての全面広告を掲載していました。それがこちら。

日本の就活について考えさせる、いい広告なので、今回はこちらをテーマとしました。

「ひっつめ髪をほどいた就活」を目指すP&G

詳しい内容は同社サイトにも出ているのでそちらに譲ります。2013年以降に就活を経験した女性1044人の回答をまとめて、広告上部には「自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」。下の方には、「就活生の81%が『自分の気持ちを偽り、企業に合わせた経験がある』と答えました」とあります。さらにその下には、こんなメッセージが。

ここに書かれているのは、1000人の就活生たちによる本音です。
黒いリクルートスーツに、黒いひっつめ髪。
このスタイルは、女性が個性を隠してしまっている象徴ではないでしょうか。
企業が今以上にひとりひとりの個性に目を向け、素直に自分を示せる女性がもっと増えれば、日本はちょっとだけ良くなるかもしれません。
ひっつめ髪をほどいた就職活動が、この国の当たり前になりますように。

気にする企業は確かにある

このP&Gのメッセージ、私も同じ思いです。就活生のコメントとして出ている「自分らしさを消したうえで、自己PRをするという矛盾はやはりおかしい」は本当にその通り。

困ったことに、リクルートスーツや髪型にこだわる企業があることは確かです。2000年代半ばごろまでは「女子学生はスカートルックでないと内定は取れない。パンツルックはやめた方がいい」「特に保守的な業界だとパンツルックは論外」という指導が女子大を中心に強くありました。

現在でも、黒いスーツにひっつめ髪でないと、違和感を醸し出す企業があることは事実です。こうした企業からすれば、違う色・髪型の就活生はそれだけで落とす、ということはありません。ただ、「なぜ、あえて違う格好なのか」ということで結果的にはマイナス評価を下します。

企業側は変わりつつあるが、変わらないのは学生の意識

ただ、こうした企業は少数派になりつつあります。大半の企業では就活生のスーツ・髪型にそこまでこだわりません。「不潔感・不快感を相手に与えるものでなければ何でもいい」と考える企業担当者が大半と言っていいでしょう。

そもそも企業担当者はどのシーズンでもラフな格好をしている、という企業もあります。あるいは夏は、クールビズを実施するという企業も増えています。髪型・色も同じです。

では、企業側が変わりつつあるのに、変わらないのは何か、と言えば就活生側の意識です。就活生からすれば、個性を押し殺すことへの抵抗感があります。一方で、「もし、他の就活生と違う格好で就活に失敗したらどうしよう」と考えてしまいます。その結果、大半の学生は無難な黒を選択するのです。

日本能率協会マネジメントセンターの調査によると、2017年~2018年に入社した新入社員(391人回答)は「仕事で失敗したくないと思うか」に「そう思う」が82.9%にも達しました。1988年~1992年のバブル期入社(63人回答)、1999年~2003年の氷河期入社(67人)は、同じ質問にそれぞれ66.7%、70.1%と回答しています。

失敗を恐れるのは、どの世代も同じですが、同調査では「失敗から学ぶことは多いので、恐れず仕事に取り組むことが大切か」に対して「そう思う」は新入社員71.9%、バブル期入社74.6%、氷河期入社76.1%とほぼ同じです。つまり、頭では「失敗は必要」と考えつつ、実際には失敗を恐れる人は新入社員の世代の方が多いことを示しています。

これはリクルートスーツ・髪型の選択にも当てはまります。

全社から好かれることはまずない、という割り切り

もし、リクルートスーツは黒以外、髪型も黒ではなく明るい茶色など黒以外を選択したとしましょう。それで敬遠する企業があるかもしれませんが、そうした企業に黒のスーツ、黒のひっつめ髪で行ったとしてどうでしょうか。それで内定まで行くでしょうか。

私はそれはあり得ない、と断言できます。たまたま目立つ要点の一つがスーツ・髪型だったから、それを学生側が気にするだけです。スーツの色や髪型がどうあれ、そうしたものも個性、と考えるのであれば、「スーツ・髪型で落とす企業があれば、私の方から相手にしない」というくらいの強さが必要です。

それくらい強気になれる就活生が増えれば、P&Gの広告にある通り、日本は良い方向に向かうのではないでしょうか。もちろん、そこまで強気にはなれない就活生もいるでしょう。であれば、無個性であっても黒のスーツを選べばいいのです。スーツや髪型は無個性でも、話の内容などで個性を出すことはいくらでもできます。

さて、あなたは強気で行きますか? それとも無個性で行きますか?

石渡嶺司(いしわたり・れいじ) 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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