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実際の労働条件は、いつ分かるのか? ブラック企業との向き合い方(18)

上西充子 法政大学キャリアデザイン学部教授

2016/8/8

無事に志望先から内定を得て就活を終えたという皆さん、入社後の労働条件を記した書類は受け取っていますか。手当の額は知ることができたでしょうか。実は困ったことに、入社まで労働条件の詳細が分からないという場合も珍しくないのです。

募集要項だけでは正確にわからない労働条件

連載の第4回で、募集の際の労働条件と労働契約の際の労働条件は異なることもありうるという問題を取り上げました。募集の際の初任給額に残業代が含まれていることがありうる(残業代の分だけ水増しで表示されている)というのが、典型的な問題です。

厚生労働省も対策には乗り出しており、一定の時間数の時間外労働に対する残業代をあらかじめ賃金に組み込んでおく固定残業代の制度を取る場合には、若者対象の求人ではその詳細を募集の段階から明記するようにと2015年10月の指針で企業に求めています。ただし現状においては、明記が徹底されていないのが実情です。

また募集要項では初任給について、「2016年度実績」といった形でしか表示されていなかった場合も多いでしょう。さらに「住宅手当」や「地域手当」などの記載があっても、それらの手当がいくらであるのか、一律に支給されるのか条件つきの手当であるのかなどは記載されていなかった場合が多いと思われます。

そのため実際に入社した場合の基本給はいくらなのか、基本給のほかに賃金の内訳となるもの(職務給など)はあるのか、手当はどういうものがあり、それぞれどういう条件でいくら支給されるのか、などは改めて内定者に説明されるべきです。

具体的な労働条件が説明されるタイミングはいつ?

しかしながら第9回の記事で見たように、最終面接後の内定の連絡は電話で行われることが通例です。電話の後で書類が届くケースはおそらく稀でしょう。

次のタイミングとしては内定者懇談会が考えられます。そこで労働条件について率直に聞ける機会があるかもしれません。ただ、その場で労働条件を書面で受け取れるケースがどの程度あるのか、はっきりしません。

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