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残業代がつかない裁量労働制とは~募集要項の注意点 就活リポート2019(4)

法政大学キャリアデザイン学部教授 上西充子

2018/1/29

3年生の皆さんは、期末試験を終えたらいよいよ就活に本格的に取り組もうと考えているでしょう。もしかしたら既にインターンシップで接触した企業から、内定の話が出ている人もいるかもしれません。

ところで皆さんは、応募を考えている企業や、インターンシップで「いいな」と思った企業の、就業時間や初任給額、給与の内訳などを知っていますか? それらに意識は向いているでしょうか?

募集要項をよく読もう

若手社員の過労死・過労自死が大きなニュースになる中で、長時間労働を警戒する意識や、各企業の残業の実態を知ろうとする意識は高まっています。健康に働き続けられる企業を選ぶうえで、それはとても大事なことです。

同時に、それぞれの企業の給与がどのように決められているのかにも注意を向けてください。多くの企業は20万円程度の初任給を提示しているため、「どこでも、だいたい同じ」と思いがちですが、実際は違います。初任給の中に一定時間分の残業代が含まれていたり、残業をしてもその分の残業代が出ない制度をとっていたりすることもあるため、注意が必要です。

そのような特別な仕組みをとる場合には、企業は募集の段階でその旨を明示することが求められています。そのため、労働条件が記されている募集要項を、じっくりと読み解くことが大事なのです。

新規大卒者の採用では、募集要項は3月1日に就職情報サイトや企業ホームページの新卒採用情報で一斉に公開されます。既に就職したい企業を決めて内定の話をもらっているとしても、「もう就活は終わった」と安心せずに、必ず募集要項が公開されたときにその内容を確認しましょう。もし募集要項が公開されないなら、問い合わせましょう。そして、他の企業と労働条件を見比べてみましょう。社風や社員の雰囲気だけで、「働きやすそう」と考えるのは、お勧めできません。

固定残業代に気をつけよう

固定残業代という言葉を聞いたことはあるでしょうか。聞いたことがない人も多いと思いますが、募集要項を見る際に、特に注意が必要なものです。残業代が一定額に固定されている、という意味ではなく、一定時間分の残業代を毎月支払うことをあらかじめ決めている制度のことを指しています。

あとで説明する裁量労働制のような「みなし労働時間制」が適用されている場合を除き、残業代を一定額しか支払わないこと(例えば「毎月の残業代は3万円とする」など)は、違法です。労働基準法により、1日8時間の労働時間(休憩を除く)を超えて労働した場合には、その時間外労働については25%以上の割増賃金の支払いが必要となっています(休日労働や深夜労働、月に60時間を超える時間外労働については、別途、割増賃金の定めがあります)。

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